スティリアGPからの連戦となる第11戦オーストリアGPが、8月13日(金)から15日(日)の3日間、レッドブル・リンクで開催される。今シーズンも新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大幅に開催日程が変更されたことで、スティリアGPに続き2週連続の開催となった。オーストリアで開催されるグランプリとしては32回目。レッドブル・リンクという呼称になってからは8回目の開催となる。
8月8日に行われたスティリアGPでは、不安定なコンディションの中で、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)がHonda勢トップの5位でフィニッシュ。終盤はヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、ブラッド・ビンダー(KTM)とし烈な4位争いを繰り広げ、ファンを喜ばせた。2連戦となった昨年の大会では、2週目に開催されたスティリアGP(今年は順番が逆になっています)で優勝争いをしたが、赤旗中断になり、再開されたレースでは、大接戦の中で7位だった。今年は、昨年の大会でほぼ手中にしていた初表彰台獲得に挑む。復帰9戦目となるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、不安定なコンディションとなった前戦スティリアGPは8位だった。1回目のスタートは予選8番手から好スタートを切り「今日はいいレースができそうだ」と確信したが、赤旗中断となった。そして2度目のスタートは、思うような位置取りができず、加えて、リアのトラクション不足に苦しみ、序盤は13番手までポジションを落とした。その後、追い上げて8位でフィニッシュするが、今大会は前戦スティリアGPのデータをしっかり分析し、その解消に努める。マルク・マルケスは、レッドブル・リンクでは、過去5回大会に出場し、2017年、18年、19年と3年連続で2位。3年連続でし烈な優勝争いを繰り広げ、ファンを喜ばせた。昨年はケガのために2大会ともに欠場した。最高峰クラスでこれまで6回のタイトルを獲得してきたマルケス。これまで優勝していないサーキットは、レッドブル・リンクと昨年から大会が行われるようになったポルトガルのアルガルベ・サーキットだけ。昨年ケガをした右腕上腕の状態はまだ完ぺきではないが、レッドブル・リンク初優勝に挑む。チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、先週のスティリアGPは、予選15番手、決勝16位という結果だった。昨年の大会で表彰台に立っているだけに悔しいレースとなった。決勝レースで低迷したのは、レースが赤旗中断となり、再スタートに向けてバックアップのリアタイヤがないことが最大の要因だった。今週行われるオーストリアGPでは、RC213Vのパフォーマンスとポル・エスパルガロ自身の実力をしっかり引き出し、Hondaでの初表彰台、初優勝に挑む。アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、先週のスティリアGPで予選11番手から決勝を9位でフィニッシュ。今季3回目のシングルフィニッシュを果たした。スティリアGPでは、フリー走行、予選と新品タイヤのパフォーマンスを活かせるようになり、これまでの課題を解消しつつある。決勝も好スタートからチームメートの中上貴晶とバトルを繰り広げ、終盤は兄マルク・マルケスを追撃した。2週連続となる今大会は、第5戦フランスGPの6位をしのぐ今季ベストリザルト、そして今季初の表彰台と初優勝を目指す。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「再びオーストリアに戻ってきました。同じサーキットで2週連続レースをするのはこれが初めてなので、とても興味深いです。正直、それほど大きな変化はないと思いますが、とてもいいベースからスタートすることができます。スティリアGPは、日曜日の再スタートを除けば好調でした。今週末もいい週末を過ごせると確信しています」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「2週目のレースウイークは前進しなければなりません。先週末は本当に難しい状況だったので、何か新しいことを試して改善できるようにしなければなりません。なぜならこのカラーを身につけたときは、このようなことが起きてはならないからです。リアグリップを改善できれば、戦いながら前進していけると思います。今、重要なことは集中して取り組み続けることです」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「またレースウイークが始まります。オーストリアで2週連続の開催です。日曜日のレースが終わってから、週末がとても楽しみです。今週末の目標は初めての表彰台獲得です。がんばります」アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)「オーストリアで2度目の週末が始まります。先週は楽しく過ごすことができました。この地域はすばらしく大好きです。最初のレースはうまくいきました。とても楽しかったです。100%のモチベーションで2回目のレースへ向かうことができるのは大事なことです。まだまだ改善しなければならないことはありますが、先週末はマシンのフィーリングがとてもよかったです。いい方向へ向かっていけると思います。調子がいいので、あとはどのように改善して、どのように進化していくかです。再びこのサーキットでレースができてうれしいです。最初から全力で目標に向かってがんばります。そしてあらゆる天候に対応できるように準備を進めたいです」