クアルタラロが独走で今季3勝目を獲得! ビニャーレスは8位Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロが腕の手術以来、初となる優勝を果たし、チームに今季4回目の勝利をもたらした。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスは13番グリッドからスタートから挽回し、8位でチェッカーを受けている。PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのバレンティーノ・ロッシがトップ10を獲得。チームメイトのフランコ・モルビデリは16位に留まった。
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロが感動の優勝決勝スタート前に1分間の黙とうが行われ、前日のプラクティス中の事故で亡くなったMoto3ライダー、J・デュパスキエに捧げる勝利を誓ったクアルタラロ。気持ちの集中が難しいなか、新型スターティング・デバイスによりポールポジションから絶好のスタートを切り、F・バニャイア(ドゥカティ)に続く2番手につけた。バニャイアが2ラップ目に転倒し、クアルタラロはトップに浮上。その後のストレートではJ・ザルコ(ドゥカティ)に抜かれたものの、ヤマハの敏捷性とコーナースピードを生かしてすぐさまトップに返り咲いた。その後の2ラップにわたって2台のバトルが続いたが、クアルタラロが少しずつ差を広げて6ラップ目には早くも1秒以上のアドバンテージを築く。見事な集中力でYZR-M1の性能をすべて引き出し、セクターごとのタイムを次々に更新していった。2位以下に4秒以上の差をつけて単独走行となったあとは感傷的になる瞬間もあったが、走りに影響はなく、最終的に2.592秒差で勝利のチェッカーをくぐった。一方、13番グリッドからスタートしたビニャーレスは16番手に下げて1ラップ目を終了。その後2台を抜き、さらに前方で2台がリタイアしたことで12番手まで挽回した。続いて3台による10番手争いの後方につけるとペースを上げ、8ラップ目にP・エスパルガロ(ホンダ)をパス。さらにD・ペトルッチ(KTM)、M・ピロ(ドゥカティ)と競り合い、ふたりを抜き去り13ラップ目にはついにトップ10に浮上した。この時点で前方のライダーとの差は4秒以上開いており、これを縮めることはできなかったが、2台の転倒により8位に上げてチェッカー。トップとの差は17.239秒となっていた。この結果、クアルタラロはチャンピオンシップ・ポイントのリードを24ポイントに拡大し、合計105ポイントでランキングトップをキープ。ビニャーレスは合計64ポイントで6位につけている。ヤマハは合計132ポイントでコンストラクターズ・ランキングでトップを奪還。Monster Energy Yamaha MotoGPも合計169ポイントでチーム・ランキング1位となっている。「ヤマハ発動機株式会社、Yamaha Motor Racing Srl、Monster Energy Yamaha MotoGPチームはMoto3のスイス人ライダー、ジェイソン・デュパスキエのご逝去を深く悲しみ、彼の家族、友人、愛する人、そして彼のチームに心からお悔やみを申し上げます」PETRONAS Yamaha SRTのロッシがホームGPでトップ10獲得ロッシは19番グリッド位からスタート後、全23ラップを安定して走り切り、最後の数ラップでは激しいポジション争いを制して今季初のトップ10フィニッシュ。一方のモルビデリは2ラップ目に他車の転倒を避けて大きくはらみ、順位を下げて16位で終えている。この結果、モルビデリはチャンピオンシップ・ポイントを合計33ポイントとしてランキング9位、ロッシは合計15ポイントでランキング19位となっている。「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamは、ジェイソン・デュパスキエのチーム、家族、友人に心からお悔やみを申し上げます。若きMoto3ライダーは、パドックの全員から惜しまれています」Monster Energy Yamaha MotoGPファビオ・クアルタラロ(優勝)「いろいろな感情がありました。私たちにとって素晴らしい一日であったと同時に、気持ちを集中させることがとても難しかったのです。1ラップ走るごとにジェイソン・デュパスキエ選手のことを考えてしまうので、どのようにしてこのハイペースを維持すればいいのか、わかりませんでした。おそらくライダー全員が彼のために走っていたと思いますし、私の心は彼の家族とともにありました。レースについては、まずスターティング・デバイスをどう活用するかを考えていました。これがうまくいって2番手で第1コーナーに入ることができたのは幸運でした。2019年のこの大会では2番グリッドからスタートして8番手か9番手まで下げてしまったことを考えれば、今日は4速ギアまで上げて2番手につけたのですから申し分ありません。バニャイア選手の後ろを走っていたら彼が転倒し、その後の5ラップは全力走行を試みました。しかしザルコ選手に抜かれてしまったので、よりアグレッシブに攻めていこうと決めました。まずついて行き、抜いたら差を広げる。前へ出てから第1コーナー進入までトップをキープできれば大丈夫だと考え、その通りになりました。レースにはとても満足しています」マーベリック・ビニャーレス(8位)「フロントのフィーリングが不十分で、とても苦しいレースになってしまいました。ウイーク初日のFP1は好調でしたが、あのときはソフト・コンパウンドを装着していました。コンパウンドの違いによって、これほど大きな差が出てしまう原因をしっかり分析していく必要があると思っています。決勝ではミディアム・コンパウンドを使用し、コーナーが曲がりにくくラップタイムも上がらず非常に苦戦しました。ウイークを通じてあまりいいところがありませんでしたが、今日はとくに悲しい一日になってしまいました。スターティング・グリッドでの1分間の黙とうに心が揺れ動きました。ジェイソン・デュパスキエ選手の家族、友人、そして彼のチームにお悔やみを申し上げます」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「クアルタラロ選手は素晴らしい仕事をしてくれました。彼は1分間の黙とうのあと非常に感傷的になっていましたが、そのなかでもしっかり気持ちをコントロールして、最後まで集中して走り切りました。正直に言うと、ウイーク前にはここで優勝できるとは想像していませんでした。ムジェロは常にライバルたちが強く、彼らが大きなアドバンテージを持っていたからです。しかしクアルタラロ選手とそのクルーが知恵を出し合い、マッピングを調整してタイヤの耐久性向上に成功しました。そのあとのことはすべて、クアルタラロ選手の能力によるものです。ビニャーレス選手については、今朝もセッティング変更をトライしましたが、フロントのフィーリングを改善することができませんでした。いずれにしても13番グリッドからのスタート...
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