マルケスが粘り強い走りで2位。総合首位をキープし、リードを広げる。クラッチローは7位でフィニッシュ第8戦オランダGPは、終日、青空が広がったが、風が強く、前日より気温も路面温度も低くなったことからタイヤの選択が難しい状況となった。しかし、フリー走行、予選とタイヤテストをしっかりこなしてきたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、フロントに、ほとんどの選手が選択したミディアム、リアは数人の選手だけがチョイスしたソフトとした。
今大会は、フリー走行、予選とヤマハ勢が強く、厳しい戦いになることが予想された。そこでマルケスは、今大会のターゲットを表彰台獲得に切り換え、金曜日、土曜日のデータから、最も転倒リスクの少ないタイヤ選択とした。その結果、今季5勝目は果たせなかったが、今季3度目の2位フィニッシュ。8戦を終えて4勝、2位3回というリザルトを達成した。今大会4位で総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に44点差、今大会6位で総合3位のダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)に52点差とドゥカティ勢の2人を引き離し、今大会リタイアに終わった総合4位のアレックス・リンス(スズキ)との差を59点とした。次戦ドイツGPは、マルケスがMotoGPクラスにデビューしてから負け知らずの6連勝を果たしているザクセンリンクで開催される。第3戦アメリカズGPでは7連覇を逃したが、ドイツGPでは大会7連覇が期待される。カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は7位でフィニッシュ。今大会はフロントにミディアム、リアにハードを選択した。そのため序盤はペースを思うように上げられなかったが、チームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)を従えて8番手前後を走行。中盤以降は、フランコ・モルビデリ(ヤマハ)、そしてペトルッチ、ドヴィツィオーゾらを追撃し、最終的に7位でフィニッシュした。予選8番手から決勝に挑んだ中上は、まずまずのスタートを切ってチームメートのクラッチロー、ロッシらとグループを形成したが、5周目の8コーナーでロッシが転倒し、その巻き添えとなる形で転倒リタイアに終わった。今季ベストリザルトを目標に決勝に挑んだ中上だが、連戦となるドイツGPでその雪辱に挑む。マルク・マルケス(MotoGP 2位)「今大会は、全体的にすばらしいレースとなりました。決勝は、リアにソフトタイヤを選び、目標を表彰台獲得へと切り換えました。その結果、チャンピオンシップのアドバンテージを広げることができて、まるで優勝したような気分となりました。今日はビニャーレスが速く、最後はクアルタラロとのバトルを避けるために彼についていくことにしました。数周はビニャーレスをピタリとマークしましたが、今日は彼の方が速かったのが分かりました。優勝した彼におめでとうと言いたいです。優勝を果たせなかったことは残念ですが、最も大事なことは、いつもなら苦戦するこのサーキットでチャンピオンシップのリードを広げられたことです。アッセンありがとう、また来年!という気持ちです」カル・クラッチロー(MotoGP 7位)「フリー走行、予選の内容を考えれば、この結果は悪くないと思います。序盤の3~4周はフィーリングがあまりよくなくて、かなりパスされてしまいました。そのあと、自分のペースをつかむことができて、前のライダーたちより速くなりました。レース中盤まで、ペースは速い方でしたが、前のグループに追いついたときにたくさんのミスをしてしまいました。3~4回コースから外れてしまい、ベストを尽くしましたがダメでした。これからも、ネガティブな部分の改善に取り組まなければなりませんが、今日は、バトルができるくらいまで前進したので、チームとしてはいい仕事ができたと思います。レース中盤のペースはかなりよかったので、序盤にもっと速くなれるように取り組まなければなりません」中上貴晶(リタイア)「今日はスタートもよくて、オープニングラップもグリッド通りの8番手で通過しました。ペース的にはそれほど速くはなく、クラッチロー、ジャック・ミラー(ドゥカティ)、ロッシとバトルしていました。5周目にバレ(ロッシ)に抜かれ、すぐに抜き返したのですが、8コーナーのブレーキングでイン側に青いマシンが見えたと思った瞬間、足下をすくわれるように転倒しました。スピードも高く、グラベルでかなり転がったので全身が痛く、しばらく動けませんでした。医務室に運ばれ、検査した結果、骨折はないとのことで、まずはひと安心でした。ただ、左足首が痛いので、連戦となるドイツGPに向けてしっかり治療をしてザクセンリンクに挑みたいです」