F1メキシコGPの金曜フリー走行1回目(FP1)では、合計9名のルーキードライバーが登場し、マクラーレン、メルセデス、フェラーリ、レッドブルなど8チームがラインアップを変更する。シーズン中に各チームが若手に走行機会を与える義務のある「ルーキー枠」が、標高2,200メートルのメキシコシティで一斉に実施される。今回は岩佐歩夢(レーシングブルズ)と平川亮(ハースF1チーム)がFP1に出走し、角田裕毅(レッドブル)とともに3名の日本人ドライバーが同一セッションで走る注目の機会となる。
レッドブルからはアービッド・リンドブラッドが、フェラーリからはアントニオ・フオコが参加するなど、将来を嘱望される若手たちが一堂に会する。F1レギュレーションでは、すべてのレギュラードライバーがシーズン中に2回、まだ2戦以下しかF1決勝を経験していないルーキーにシートを譲る義務がある。これは昨年の1回から増加しており、若手育成機会の拡大を目的としている。メキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは例年このルーキー走行に選ばれやすく、昨年も5名の若手が出走していた。パト・オワード(マクラーレン)マクラーレンのリザーブドライバーであるパト・オワードが、母国メキシコで2年連続のFP1出走を果たす。インディカーシリーズではArrow McLarenから参戦し、2025年シーズンをランキング2位で終えたオワードは、5月時点でこのFP1出走が発表されていた。26歳のオワードは週末を通じてマシンのセットアップに貢献し、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリの両ドライバーをサポートする。フレデリック・ベスティ(メルセデス)メルセデスではジョージ・ラッセルに代わって、テスト兼リザーブドライバーのフレデリック・ベスティがFP1に登場する。ベスティはメキシコで2023年にF1デビューしており、同年アブダビでも走行。2025年は開幕戦バーレーンでも走行しており、今回が通算4度目の出走となる。23歳のデンマーク人ドライバーはIMSAスポーツカーシリーズにも参戦しており、直近では同シリーズで2連勝を飾っている。アントニオ・フオコ(フェラーリ)フェラーリでは、ルイス・ハミルトンに代わってアントニオ・フオコが初のFP1出走を果たす。29歳のイタリア人ドライバーはフェラーリAFコルセから世界耐久選手権(WEC)に参戦しており、2024年のル・マン24時間レースでは優勝メンバーの一員だった。また、昨年のアブダビでのシーズン後テストにも参加しており、フェラーリの開発ドライバーとして継続的にマシン開発に携わっている。アービッド・リンドブラッド(レッドブル)レッドブル・レーシングからはF2ドライバーのアービッド・リンドブラッドがFP1に出走する。18歳のイギリス人ドライバーは7月のイギリスGPで角田裕毅に代わりRB21をドライブしており、今回はマックス・フェルスタッペンの代役として走行する。F2では現在ランキング7位につけており、これまでに3度の表彰台(うち2勝)を獲得している。ルーク・ブラウニング(ウィリアムズ)ウィリアムズではカルロス・サインツJr.のマシンをルーク・ブラウニングが引き継ぐ。ブラウニングにとって3度目のFP1出走であり、これまでバーレーンと昨年のアブダビ最終戦で走行している。23歳のイギリス人ドライバーはウィリアムズ・レーシング・ドライバー・アカデミーの一員であり、現在F2選手権でランキング3位につけている。ジャック・クロフォード(アストンマーティン)アストンマーティンのヤングドライバーであるジャック・クロフォードは、今回がF1週末デビューとなる。20歳のアメリカ人ドライバーはランス・ストロールに代わってAMR25をドライブ。これまでにAMR22、AMR23、AMR24で合計2,000km以上のテスト走行を重ねており、すでに豊富な経験を持つ。F2では今季4勝を挙げ、ランキング2位につけている。平川亮(ハースF1チーム)ハースF1チームではオリバー・ベアマンに代わって平川亮がFP1に出走する。今季、平川は開幕戦バーレーンとバルセロナ、そして鈴鹿でアルピーヌのマシンをドライブしており、今回が4度目の走行となる。31歳の日本人ドライバーは4月にアルピーヌからハースへと移籍しており、最終戦アブダビでも再び走行予定となっている。岩佐歩夢(レーシングブルズ)レーシングブルズではリアム・ローソンに代わって岩佐歩夢が出走する。日本人ドライバーの岩佐にとっては4度目のFP1であり、今年はすでにバーレーンでレッドブルのマシンをドライブ。昨年はレーシングブルズ(当時RB)でも2回走行している。現在は全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦しており、ランキング3位につけている。ポール・アロン(アルピーヌ)最後にアルピーヌではピエール・ガスリーに代わってポール・アロンがA525をドライブする。21歳のエストニア人ドライバーは今季4度目のFP1出走であり、これまでシルバーストンとハンガロリンクではザウバー、モンツァではアルピーヌのマシンを走らせている。アロンは昨年のF2選手権でランキング3位に入り、来季ガスリーのチームメイト候補として名が挙がっており、今回の走行はその評価にも直結するとみられている。