メキシコシティの政府首脳クララ・ブルガダ氏によると、メキシコグランプリはF1レースの契約更新に向け、近日中に合意が発表される見通しだ。昨年就任したブルガダ氏は、4月24日の記者会見でレースの将来に関する質問に対し、「来週、F1との合意文書に署名する予定です」と述べた。
新たな契約では、レースは2028年末までカレンダーに維持され、3年間の延長が盛り込まれる見込みだ。これは、過去2回の延長契約と同様の条件だ。レースは、2018年に連邦政府の支援を失った後、引き続き民間資金で運営される。その年、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領(当時)が、政府がレースに提供していた資金援助を取りやめた。これにより、ビジネス界の人々が民間信託を設立し、メキシコシティ政府はF1との関係を維持してレースをカレンダーに残すことを保証した。当初の5年間の契約の後、2019年に3年間の契約が更新された。この契約は2022年まで継続することになっていたが、実際には、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年はF1がヨーロッパと中東以外でのレースを中止したため、2レースしか開催されなかった。新たな3年契約により、オートドロモ・エルマノス・ロドリゲスとF1は契約を2025年まで延長することができた。このイベントのプロモーターであるCIEは、この契約内容については明らかにしていないが、メキシコ人ドライバーのセルジオ・ペレスがF1を離れることが決定していたにもかかわらず、昨年から契約更新に向けた重要な詳細が準備されていたとの見方がある。セルジオ・ペレスの人気は、21年ぶりのカレンダー復帰のきっかけのひとつとなったため、このレースの将来はペレスのF1参戦にかかっているとの見方もあったが、明らかに、ペレスがいなくてもこのレースは継続される意向だ。同社幹部は、メキシコ国内および海外でのチケット販売を多様化する戦略により、地元のドライバーの存在だけに依存しない強固なファン層を構築できたと述べている。セルジオ・ペレスは、2023年のスタートは有望だったものの、2シーズンは不振とマックス・フェルスタッペンに及ばないパフォーマンスで、2024年末にレッドブルとの契約を解除された。グアダラハラ出身のセルジオ・ペレスは、キャデラックでチャンピオンシップに復帰する可能性があるとの噂があるが、現在は将来について検討するため、レースから一時離れている。