メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、12年ぶりとなる韓国でのF1開催について「依然として未開拓の市場」だと語り、F1が再び韓国に戻るべき時期が来ていると主張した。韓国・霊岩(ヨンアム)のコリア・インターナショナル・サーキットでは、2010年から2013年までF1世界選手権が開催され、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が1勝、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が3勝を挙げた。
その後、2014年と2015年の暫定カレンダーに名前を連ねたものの、最終的に主催者側が開催を断念し、正式に復帰することはなかった。韓国市場を再び視野に入れるF1当時、韓国GPは観客動員に苦戦したレースの一つだったが、現在のF1は状況が一変している。『Drive to Survive』の配信やSNS戦略、さらには映画『F1/エフワン』の公開を通じて、世界的に若年層や新しいファン層の獲得に成功している。ヴォルフは『Bloomberg』のインタビューで次のように語った。「韓国はしばらく未開拓の市場のままだ。F1はここ数年で大きく成長し、特に若い世代に人気が広がっている」「我々のファン層で最も成長しているのは15歳から24歳の若い女性たちだ。彼女たちは非常にSNSで活発だ。韓国は世界でも有数のSNS先進国だから、今こそF1が過去10年でどう進化したかを見せる絶好の機会だと思う」カレンダー拡大の限界とアジア再編の可能性現在、F1の年間開催数は24戦に達しており、F1 CEOのステファノ・ドメニカリは「これが上限」と発言している。一方で、新たな市場への進出を図るため、バルセロナやスパなどの伝統開催地をローテーション制にする案が浮上している。近くマレーシアGPの復活も取り沙汰されており、アジア地域での開催枠拡大には既存レースとの入れ替えが不可欠とみられる。現在、アジアでは日本、中国、シンガポールの3戦が開催されているが、アメリカ大陸では6戦、中東では4戦と、地域間のバランスに差が生じている。アジア市場で再成長を狙うF1世界的に人気が再燃する中、韓国はF1にとって新たなフロンティアとなりうる。K-POPやeスポーツなどで若年層の国際的発信力を持つ韓国市場は、F1のグローバル戦略と親和性が高い。F1が「次のアジア拡大ステップ」として韓国を再び検討しているのは、エンターテインメント性とデジタル文化が融合する現代の潮流を象徴していると言える。Source: pitpass.com