F1カタールGP 「ドライバーよりもマシンに責任がある」とメルセデスF1代表

ハミルトンは12位でレースを終えたが、2度のペナルティを受け、シルバーアローにとって厳しい一日となったこのレースで、一時はマシンをリタイアさせてもよいかと尋ねた。チーム代表のトト・ヴォルフは、何が悪かったのか、そしてなぜドライバーよりもマシンに責任があるのかについてすぐに認めた。「あまり良い仕事の日ではなかった。昨日から今日にかけて、マシンのバランスが完全に崩れ、二人ともひどいアンダーステアに見舞われ、ペースがまったくなくなってしまった。理解するのが奇妙な感じだった」とヴォルフはレース後に語った。「レースは最悪だった。二人にとってマシンの運転は超難しかったと思う。グリップが効いたときに曲がらなかった。アンダーステアが耐えられないほどで、二人ともそれに苦しんだ」ラッセルはスプリント予選で2位となり、19周のゴールまでのダッシュでは、空気が汚れているにもかかわらず、マクラーレンの2台の後ろに食い込むことに成功した。しかし、そのペースはグランプリでは発揮されず、オスカー・ピアストリのプレッシャーを受けて、ハードタイヤに交換するために早めのピットストップを余儀なくされた。後から考えれば、それは間違った戦略だったことがわかった。彼はトラフィックに巻き込まれ、ピットストップが長引いたことも状況を悪化させた。彼はタイヤ交換のために再びピットインした唯一のトップ走行マシンとなったが、そのピットストップはセーフティカーの状況下で少なくとも緩和された。「もしレースが昨日行われていたら、勝てるレースだったと思うが、純粋なペースで言えば、ランド（ノリス）とマックス（フェルスタッペン）の後ろだったと思うので、表彰台はしっかり取れていただろうが、明らかに多くのことがうまくいかなかった」とヴォルフは語った。「このレースは15周くらいで本当に調子が悪くなり始めた。マシンのバランスが取れないことに気づいた。アンダーステアが忍び寄ってきて、前を走っているドライバーや後ろのピアストリにかなり遅れをとり始めた。別のタイヤに交換して、ウィングのフロントフラップを調整すれば、もっといい状況になるだろうと感じたが、まったくそうはならなかった」ラッセルは、ライバル数名のリタイアやパンクを含む終盤の混乱にも助けられ、4位でフィニッシュした。ハミルトンもパンクしたドライバーの1人で、フライングスタートとピットレーンでのスピード違反でペナルティも受けた波乱の夜だった。7度の世界チャンピオンは、グランプリ期間中も苦戦が続く中、ラジオで感情的な発言をした。ブラジルでのラジオメッセージと似た調子で、チームを離れる覚悟があることをほのめかしているようだった。しかしヴォルフは、ハミルトンの苦戦と、なぜ彼がW15のコックピットでの生活がラッセルよりも困難だと感じているのかについて説明を行った。「レースを続ける意味がほとんどないところまで来ていた。しかし、マシンをストップすれば、アブダビにペナルティを持ち込むことになる。だから、我々はそれを受け入れなければならなかった」とヴォルフは説明した。「ハミルトンの強みの一つは、ブレーキを遅らせてコーナーを攻めるやり方だと思う。そして、あのマシンはそれに耐えられない。ブレーキを強く踏むと、旋回時に非常に強いマシンが必要になり、アクセルを踏むと、多くのトラクションが必要になる。マシンがそれを全く提供してくれないと、運転するのは非常に難しい。」「彼は自分の感情を隠さず表に出している。感情を表現するのは絶対に許されるし、それでいい」