メルセデスF1の2024年F1マシン『W15』は、単なる大型のサイドポッドではなく、レッドブルのコンセプトに傾いているのではないかという憶測が飛び交う中、ジェームス・アリソンはコンセプトは「そのクルマとは何の関係もない」と語った。2022年3月のバーレーンGPで、メルセデスはゼロポッド路線を、レッドブルは分厚いダウンウォッシュ哲学を採用し、まったく異なる外観を持つ2台のマシンが並んだが、1台のクルマが勝者であることは明らかだった。
それはレッドブルであり、RB18はグランプリ22戦中17勝、チャンピオンシップ2冠を達成し、その子孫であるRB19は22レース中21勝、チャンピオンシップ2冠、そしてドライバーズランキングでワンツーを獲得するなどさらに好成績を収めた。メルセデス、レッドブルの「コンセプト」の指摘を疑問視これとは対照的に、メルセデスのW14はわずか1勝にとどまり、チームはゼロポッドを廃止してレッドブルらしいルックに変更した。しかし、それでも1勝も挙げることはできなかった。クリスチャン・ホーナーは2024年のマシンがレッドブルと同じようなデザインになることを期待しているようだが、メルセデスのテクニカルディレクターであるアリソンはこの件に関して否定的な回答をしている。「このようなことは哲学的な話だが、デザイナーやF1のパフォーマンス担当者にとって、コンセプトは実際にはクルマとは何の関係もない」とアリソンはSkyのポストシーズンレビューで語った。「そのクルマとは一切関係ない」「コンセプトとは、何が良くて何が悪いかを決めるプロセスのことだ」「クルマに装着する可能性のある多くのものを整理し、ラップタイムを向上させると本当に思えるものだけを見つけるための方法論なんだ。それがメソッドなんだ」「クルマそのものは、そのメソッドのアウトプットにすぎない」「だから、コンセプトについて我々に話をするが、我々にとっては、風洞での加重システムが適切でなかったので、それを変更した。あるいは、CFD(数値流体力学)の測定方法が間違っていたので、その概念を変えたというようなことだ。それが我々にとってのコンセプトの意味だ」「そして、そのプロセスやコンセプトを適用したときに、クルマはその向こう側から飛び出してくる」「もちろん、この2年間は僕たちのアプローチと方法論、言ってみればコンセプトを調整する必要があった。その結果、何が重要で何が重要でないかという異なる決定、異なる重み付けによって定義されるため、その反対側に出てくるハードウェアは必然的に異なるハードウェアになる」アストンマーティンから学ぶべき教訓アリソンがW15がレッドブルの流れを汲むと明言しないのは、ルイス・ハミルトンが最近、他チームのマシンをコピーしてもロングランでは報われないとコメントしたのとと一致している。アストンマーティンを見てみよう。元レッドブルのダン・ファロウズが率いるAMR23はスタート直後から速かったが、マシンのアップグレードでチームは誤った方向に進んでしまった。「アストンを見てほしい。彼らはマシンをコピーしようとしたけど、同じではなかった。それほど簡単なことではない。良いパーツを取り入れ、試行錯誤しながら他のパーツを追加していく必要がある」とハミルトンは語った。「しかし、彼らもあまりに大きな変更をして、それが間違ったものであることに神経質になっていることも想像できる」「僕たちはコンスタントに週ごとにパフォーマンスを上げていかなければならないし、キャッチすべき大きなギャップがあるため、これまで以上に高い目標を掲げている。それが本当に厄介なんだ」メルセデスは2023年のコンストラクターズ選手権でフェラーリを3ポイント差で抑えて2位に入った。