前戦F1トルコGPのリア車載カメラの映像によって、メルセデスF1のリアの車高がストレートで突然に下がっていることが判明して話題となっている。メルセデスは、リアの車高を下げることでフロア下の気流を妨げてディフューザーをストールさせ、ダウンフォースを下げて抵抗を少なくすることでストレートでスピードを上げていると考えられる。
これは新しい仕組みではなく、過去にはアクティブサスペンションなどでこれを実現していたが、今は禁止となっている。レッドブルも同じトリックは採用しているが、そこまで大きな効果は生んでいない。ローレーキであるメルセデスの方が地面にフロアを近づけることができ、効果的に実装させることができる。メルセデスは、サードダンパーなどを使って、ストレートで両側のリアサスペンションに負荷がかかったときに車高を下げることを可能にしていると考えられている。この仕組みのメリットは、リアウイングに大きなウイングを使えることだ。他のチームはコーナーでのダウンフォースとのバランスを取りながら、リアウイングを薄くして、マシン表面のドラッグを減らすことで直線スピードを上げるようとする。DRSも仕組みもそうだ。しかし、このメルセデスのコンセプトはその逆で、マシン上部ではなく、フロア下のダウンフォースを減らすことでドラッグを減らして直線スピードを獲得している。ストレートではダウンフォースは必要ない。だが、このディフュザーストールを成功させるには、綿密な計算と条件が必要になる。サスペンションに関しては、技術規則の10.2.2では「サスペンションシステムの仕様構成を変更する、あるいは性能に影響を及ぼすことが可能な動力装置は、それがいかなるサスペンションシステムのどの部分であっても、一切禁止される」とされている。だが、10.1.3では「リアホイールに取り付けられた一切のサスペンションシステムは、その反応がリアホイールへ適用された荷重の変化からのみ生じるものであるように設計されていなければならない」とされており、荷重の変化を利用しているという点では合法と言える。メルセデスのF1チーム代表であるトト・ヴォルフも、それが何か新しいことであることを否定している。「我々の公認された部分の1つなので、我々はそれにまったく触れることができない」とトト・ヴォルフは語る。「彼らがこのようなことにエネルギーを浪費したいのであれば、我々にとっては問題ではない」The reason why Mercedes are quicker than Red Bull at the moment pic.twitter.com/O2xFbU9rXB— Ethan (@_Regenmeister) October 22, 2021
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