メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、エンジン技術者の引き抜きを進めているレッドブルが、新しいF1エンジン部門への転職について約100人のメルセデスのスタッフを勧誘したと語った。レッドブルF1は今年2月、レッドブル・パワートレインズという独自のF1エンジン部門を設立し、2021年にF1から撤退する既存のホンダのF1エンジンの知的財産権(IP)を引き継ぐことを発表。
すでにレッドブルF1は、エンジン部門の構築に力を入れており、先月にはテクニカルディレクターとしてメルセデスHPPの機械工学責任者を務めていたベン・ホジキンソンと契約。そして、6日(木)にはさらに5名をメルセデスHPPから引き抜いたことを発表。2025年の次世代F1エンジンの独自開発にむけて製造および開発の基盤を着実に構築している。メルセデスF1のトト・ヴォルフは、2021年のF1世界選手権を争うライバルのこの動きに不満は感じていないと述べ、英国にエンジン部門を設立したいのであれば、その才能をどこから探すかは“かなり明白”だと付け加えた。「英国にエンジン工場を設立したいのなら、そこには我々しかいない」とトト・ヴォルフは Sky Sports F1 に語った。「我々はそこに900人ほどの従業員を抱えているが、そのうち15人ほどを釣り上げているのであれば、それはごく普通のことだ」「しかし、彼らは主に製造スタッフを追いかけており、それは実際にはパフォーマンスではない。彼らは会社を作りたいと思っているんだと思う」「しかし、このプロジェクトの功績はエベレスト級だ。私はレッドブルのパワーユニットと戦いたいと思っている」続けて、トト・ヴォルフは、レッドブルF1が「全部で100人ほどにアプローチし、15人くらいを獲得した」と明かした。レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、メルセデスF1のスタッフがレッドブルへの異動するのを阻止するために2倍の給料をオファーしたと語っていた。そのようなオファーがレッドブルF1からのアプローチに対抗する唯一の方法であるかと質問されたトト・ヴォルフは「給料を2倍にすることは一つのことですが、3倍にすると、ある段階で、忠実な人々であっても、それ以上競争することはなくなってしまう」とコメント「だが、それは仕方ないことだ。私は自分のビジネスを擁護したり、自分のビジネスを構築したいと思っているすべての人を尊重している。そして、報復の時はまだ来ていない」