レッドブルは独自のF1エンジン契約を推し進めているが、メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、ホンダのF1エンジンを引き継ぐことは理に叶っており、それはまた将来的にフォルクスワーゲンがレッドブルのパートナーとしてF1に参入するためのドアは開いたままにすると考えている。レッドブルF1は今年2月、F1から撤退するホンダからF1エンジンのIP(知的財産権)を取得し、レッドブル・パワートレインズと命名したエンジン部門を設立し、独自にF1エンジンプログラムを運用していくことを発表した。
レッドブル・パワートレインズは、レッドブルF1のファクトリーがあるミルトンキーンズの敷地内に建設され、次世代のF1エンジンルールが始まる2025年に向けて、新しいパワーユニットを社内で生産する計画をすでに立てている。また、先週には、メルセデス・パイパフォーマンス・パワートレインズのエンジニアリング責任者であるベン・ホジキンソンと契約結び、レッドブル・パワートレインズのテクニカルディレクターに就任することを発表した。レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは発表の中で、チームが自分たちの運命をコントロールしたいという願望について語り、「その究極の表現は、次世代のF1エンジン規制を満たすためのレッドブル・パワーユニットの開発である」と述べた。レッドブルが2025年に向けて独自のF1パワーユニットを設計しようとしているにもかかわらず、チームはフォルクスワーゲン・グループとの提携の可能性が噂されており、フォルクスワーゲン・グループは、新しいF1エンジンルールが潜在的なF1参入のために「非常に興味深い」ものだと公に述べている。メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、ホンダのF1エンジンを引き継いだ独自のF1エンジン計画に関するレッドブルの戦略は「愚かではない」と述べ、ポルシェやアウディなどのフォルクスワーゲン・ブランドが将来の提携を検討するためのドアはまだ開いていると語る。「一方で、彼らは独自のパワーユニットを作ることに熱心だが、2つのブランドを持つフォルクスワーゲン・グループがF1を検討しており、議論の一部となっていることは周知の事実だ」とトト・ヴォルフは語った。「したがって、レッドブルは、自分のパワーユニットに固執するか、ドイツのトップメーカーに行くかをいつでも決めることができる」「一方で、ホンダとのIP側の取り決めは本当に理にかなっている。彼らはホンダからIPを引き継ぎ、明らかに2025年に新しいパワーユニットを開発している」「レッドブルのパワーユニット内にとどまるか、ポルシェ/アウディに行くことができる。全体として、彼らが何をしているのかは理にかなっていると思う」トト・ヴォルフは、フォルクスワーゲンが将来F1に参入することを選択してくれることを望んでいると述べ、レッドブルとの提携は以前の関係を考えると理にかなっていると語る。「それは非常に初期の段階だと思っている」とトト・ヴォルフは語る。「彼らは興味を示しており、それは公にしている。その点で、彼らがスポーツに参加することを強く望んでいる」「フォルクスワーゲン・グループは、プラットフォーム全体でレッドブルと歴史的なつながりを持っている。彼らがレッドブルとの関係を検討し、ホンダIPを利用することができれば、参入する際にフォルクスワーゲンのパワーユニットを学ぶことができるだろう」「私にはわからないし、私の仕事ではないので勝手にそう言うことができる。だが、彼らはこれらすべての関係と引き継いだ知的財産から利益を得るだろう」レッドブルのF1エンジンの将来の計画について質問されたクリスチャン・ホーナーは、現在、外部メーカーとの協力についての議論はないと述べた。「現時点では、議論は行われておらず、レッドブルエンジンと呼ばれることに焦点が当てられている」とクリスチャン・ホーナーは語った。「しかし、もちろん、そのエンジンは将来的には何とでも呼ばれる可能性がある。しかし、それをミルトンキーンズに完全に統合することは非常にエキサイティングだ」