メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、F1が2021年に再び導入を検討しているリバースグリッドのアイデアを改めて拒否。F1は最強マシンが勝つ実力主義の世界であるべきであり、人工的に“無作為”な結果を生み出そうとするべきではないと述べた。昨年、F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、3レースでリバースグリッドレースを導入することを提案したが、メルセデスのみが断固拒否。全会一致の同意が得られなかったことで導入は見送られた。
しかし、F1イタリアGPでは、赤旗とルイス・ハミルトンにストップ&ゴーペナルティが科せられた結果、グリッドがシャッフルされ、ピエール・ガスリーが優勝するという予想外の結果となった。レース後、ロス・ブラウンは、リバースグリッドレースは“来年もまだ予定されている”と述べ、モンツァでのレースは必要なアクションを取れば、興奮のレースを生み出すことができる証拠だと語った。しかし、トト・ヴォルフのスタンスは変わっていない。リバースグリッドをWWEと比較して以下のように語った。「私の方が良いアイデアを持っていると思う。チーム名のアルファベット順にリバートグリッドで並べ、我々が名前をAMGに変更する」とトト・ヴォルフは冗談交じりに語った。「いかなるフォーマットであれ、混乱させるべきではないと思う。昔からファンに理解されてきたフォーマットを変更しようとしたレースシリーズを見てきたが、私の頭にはNASCARとチェイスが浮かんだ。いじり回す必要はないと思う」 「私にメルセデスのバイアスがあるからではない。むしろ逆で、変動制があるものや予測不能なのも好きだ。モンツァのレースのように全く違うレースもあるだろう。ただ、リバースグリッドからスタートした勝者は誰も望んでいないと思う」 「ただ順位を違ったものにしたいからと言って、オーバーテイクがほぼ不可能なところで異様な結果を演出しようとすべきではないと思う。ここは最強の者が勝ち、最高のマシンが勝つ実力主義の世界であり、結果が完全にランダムになるワールドワイドレスリングではない。ランダムにしたければ、ショーにすればいいが、F1のDNAとはスポーツでありながらのエンターテインメントプラットフォームだと思っている」 「F1はショーではなく、リアリティショーでもなく、ビッグブラザー(リアリティ番組)でもない。我々がそこに行く必要はないと考えている」
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