メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは、現在のF1での傑出した成功の一部にはミハエル・シューマッハの影響があったと語る。ミハエル・シューマッハは、メルセデスがブラウンGPを引き継いでワークスチームを結成した2010年に引退を撤回してチームに加入した。その時点でメルセデスはある程度の競争力を発揮してはいたものの、ライバルであるレッドブルとフェラーリに匹敵するリソースが不足していた。
2012年、ミハエル・シューマッハは当時のモータースポーツ責任者だったノルベルト・ハウグの支援を受けてメルセデスの取締役会に集中的なロビー活動を行い、その結果、トト・ヴォルフがモータースポーツ責任者を引き継いだ2013年に予算は大幅に増加した。「ミハエル(シューマッハ)はメルセデスの成功において大きなシェアを持っている」とトト・ヴォルフは Motorsport-Total にコメント。「ブラウンGPが存在せず、そして、彼をスタードライバーとするノルベルトのチームに対するビジョンがなければ、サクセスストーリーは存在しなかっただろう」「我々のプロジェクトに対する取締役会の認識の変化は、2012年末と2013年初頭に起こった」2012年、メルセデスは当時のウィリアムズの株主であるトト・ヴォルフに、ワークスチームを勝利のチームに変える方法について相談していた。「私は外部の人間として、メルセデスチームの組織とリソースが世界選手権に勝つという彼らの期待に応えられるものかどうかを比較するよう依頼された」とトト・ヴォルフは語る。「彼らの期待と実際に可能なこととの間にはギャップがあった。2013年に予算の増加が行われた」「当時私が提示した見解は『我々はこのように進むことになるだろう。私の現実的な評価は3位から6位のどこかだ。もしくは、レッドブルに向かって一歩を踏み出すことができるかもしれない。2014年の新しい規制により、数年で世界選手権のために戦うことができると思う』というものだった」トト・ヴォルフは最終的にメルセデスに入社し、非常勤取締役のニキ・ラウダとともにチームの株主になった。しかし、F1での挑戦には追加投資の価値があると判断したのはダイムラーのディーター・ツェッチェ会長であり、メルセデスはトト・ヴォルフが呼ぶ“オールイン”を進めることが可能となった。「なされなければならない決定だった。そして、その決定はディーター・ツェッチェと取締役の彼の同僚によってなされた。ポーカーでは『オールイン!』と言うだろう」「コース上での成功だけでなく、それに伴う金銭的インセンティブによっても、我々はこの信頼を答えることができた。我々のコミットメントの価格性能比は、今日非常に優れている」
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