メルセデスは、F1ドイツGPの決勝で、ルイス・ハミルトンが11位、バルテリ・ボッタスがリタイアでレースを終えた。アルファロメオ勢のリタイアによりルイス・ハミルトンが9位に繰り上がってノーポイントは免れたが、今季初めて表彰台を逃した。
トト・ヴォルフ(チーム代表兼CEO) 「心底傷ついた。今日は破滅的な結果だった。レースのスタートはそれなりだったし、良いペースがあった。そこからはインシデント、クラッシュ、トリッキーなコンディション、判断ミスが次々と起こり、序盤に1-2を走っていたはずが終わってみれば0ポイントだ。ルイスのインシデントはピットエントリーのすぐ近くで起きたため、彼が入っていた時に準備ができておらず、その後も間違った判断をしてしまった。バルテリは他の多くのドライバーのようにクラッシュしてしまい、我々にとってはさらに悲惨な1日となった。我々のF1での200戦目のレースは長く経験した中で最も困難な1日となったが、我々は勝利の喜びで団結するのと同様に、痛みの中で団結する。今日は自分たちの過ちを見つめ、そこから学ぶための日だ。そして、来週末は強くなって戻ってこなくければならない」アンドリュー・ショブリン(チーフレースエンジニア) 「非常にフラストレーションの溜まる日だった。2台とも大量ポイントを獲得できるチャンスがあったが、それを手に入れられなかった。それはいつだって苦痛だ。天候は対応が容易でなく、雨が降ったり止んだりで、中盤はまずまずの調子だったものの、雨が激しくなったタイミングでドライタイヤを履いてしまった。バルテリについてはマックス(フェルスタッペン)の1周後にミディアムを履かせた。それ自体は問題なかったが、インターミディエイトに戻すチャンスを得るためにはセーフティカーが出た際にもっと早く反応するべきだったし、それが彼のポジションに響いた。ルイスは最悪のタイミングとなってしまい、コンディションが悪化していたのでソフトでの走行を止めるつもりが、シャルル(ルクレール)がコースオフを喫したのと同じ場所で、その翌周にルイスもまたコースを飛び出してしまった。バルテリの受け入れ準備を整えていたため、ルイスがノーズ交換を必要としたタイミングで用意ができておらず、大きくタイムを失った。そういったことがありながらも、次のセーフティカーでは2番手と3番手につけていた。だが、ドライタイヤへの切り替えに慎重になりすぎてしまい、2台ともポジションを失うことになった。それを考えると、ルイスはペナルティを受けていたので、もっと早くに消化しておくべきだったと思う。みんなが飛びついたときには大量のポジションを失っていた。その後、売れた路面でどちらのドライバーもターン1でスピンを喫し、それによって我々のレースはほぼ終わってしまった。本当に悔しいが、こういったことが改善を助けることもある。来週にまたブダペストでトラックに戻ってくることを楽しみにしている」 ルイス・ハミルトン(9位)「何というクレージーなレースだ。長い間、チームとして経験したなかで一番難しいレースのひとつだった。レースをコントロールしていると思ったが、スリックに交換するリスクを冒し、そこからレースが崩壊した。ターン16で膨らんだが、まるで氷の上のようだった。ウオールにぶつかってウィングを破損した。ミスをしてその代償を支払った。先頭を走っていたのに11位でフィニッシュした。どうしてこうなったのかまだよくわからないが、それでもとても辛いし、レースが終わってほっとしている。体調が100%でないときは結果を出すのが難しいものだ。次戦までに体調を戻す必要がある。このような1日を経験したら、そこから学ぶものだ。今の僕たちは、ハンガリーに向けて立て直すことが重要だ。最下位から2位まで追い上げたセブのために喜んでいるし、ダニールとトロ・ロッソが表彰台に立ったのもよかった。おめでとう」バルテリ・ボッタス (リタイア)「本当にタフなレースだったし、とても落ち込んでいる。コースはトリッキーだった。路面はとても滑りやすく、コンディションは常に変化していった。とてもミスがしやすくて、最後には僕もミスをしてしまい多くのポイントを失うことになった。今日、僕にとってはルイスとのポイント差を詰めるいい機会だった。だが、ノーポイントに終わったのは最終的に自分のせいだったなのでがっかりしている。表彰台を獲得する良いチャンスがあったし、(ランス)ストロールをパスするためにハードに攻めていた。ターン1では限界に近づいていて、突然リアを失ってコースオフしてしまった。クルマを立て直す時間はなかったと思う。チームみんなのためにもとても残念だけど、ハンガリーで強くなって戻ってくるために全力を尽くす」