メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは、F1が夏休みに入る8月に2020年もバルテリ・ボッタスをルイス・ハミルトンのチームメイトとして続投させるかどうかを判断するようだ。バルテリ・ボッタスとメルセデスの契約は今シーズン末で満了する。今年、バルテリ・ボッタスは開幕戦オーストラリアGPを制する順調なスタートを切っが、それ以降は1勝を追加しただけ、ルイス・ハミルトンがチャンピオンシップをリードを広げている。
背後には評価の高いメルセデスのジュニアドライバーであるエステバン・オコンがおり、マックス・フェルスタッペンの電撃移籍さえも噂されている。昨年はホームレースのドイツGPで両ドライバーとの新契約を発表したメルセデスだが、今週末のドイツGPでトト・ヴォルフはドライバー選定は焦ってはいないと述べた。 「シャットダウン期間までに彼にはしっかりと良いポジションで締めくくってほしいし、ホッケンハイムとブダペストの両方で堅実なパフォーマンスを発揮してもらいたい。そのうえで、2020年以降のドライバーラインアップについて時間をかけて考えていく」とトト・ヴォルフはコメント。 「7月にドライバーを発表するのはかなり稀だ。時間をかけて適切に評価する必要があるので、一部のチームがそうしているように冬にまで持ち越すこともできる。過去にはそれがスタンダードだった」 「我々としては、来年だけでなくその先に向けても適切な判断を下す必要がある。だからこそ、8月以降に判断することで同意しているが、だからといって8月に発表する必要があるわけではない」 だが、トト・ヴォルフにとってエステバン・オコンの存在が頭痛の種であるに違いない。昨年、エステバン・オコンはルノー移籍が濃厚と言われていたが、チームが土壇場でダニエル・リカルドとの電撃契約を締結したことでF1シートを失うことになった。マクラーレン加入も噂されたエステバン・オコンだが、マクラーレンはメルセデスと密接な関係のあるドライバーを嫌い、メルセデスのカスタマーであるレーシングポイントとウィリアムズへの移籍も実現しなかった。 今季、エステバン・オコンは、メルセデスのリザーブドライバーとしてチームに残っているがレース活動は行っていない。トトヴォルフは、エウテバン・オコンに2020年のF1シートを確保できないという結末があることも十分に理解していると語る。「誰もが知っている通り、昨年エステバン(オコン)がイス取りゲームに敗れたことは不運な状況だった。2つのシートで選べたはずが、何も起こらなかった」「我々メルセデスの評価として、彼のドライビング能力については全員がわかっている。バルテリは非常に強力なパフォーマンスを発揮しており、このシートに値するが、同等に、エステバンも過去にそれを証明しており、チームにとって素晴らしい補強となる」 「閉じられたドアの向こうで彼は素晴らしく貢献してくれているし、レース週末に徹夜でシミュレーションをドライブしたり、土曜日には現場に来てインプットを与えてくれるなど、本当に素晴らしい子あ」「それに、メルセデスの若手ドライバーをマシンに乗せるというのも興味深い。それでも、エステバンにとっては他のチームに入ることも利点になるし、他の関心のある人々とともに、自分たちだけの利益ではなく、エステバンの利益にもなるように我々自身が慎重に判断しなければならないと思っている」 「もし我々がバルテリを選択する判断を下した場合、それは他の誰かがオコンを育てていくということであり、我々にとっては1年もしくは2年かそれ以上の間、エステバンという片腕を失うことになる。そういったことが決断の結果になる」