3度のF1ワールドチャンピオンであるニキ・ラウダが8月2日(木)にオーストリアのウィーンで肺移植手術を受け、無事に成功したことを手術を担当したウィーン総合病院が発表した。現在、メルセデスの非常勤取締役を務めるニキ・ラウダ(69歳)は、先月初旬のF1イギリスGPを最後にF1パドックに姿を見せなくなっていた。
報道によると、ニキ・ラウダは最近スペインのイビサで家族と休暇中に病気を患い、“重度の咳”に悩まされたため、休暇を切り上げてウィーンへと戻っていたという。ウィーン総合病院は「肺の深刻な疾患のため、ニキ・ラウダは本日ウィーン総合病院では肺移植の手術を受けなければなりませんでした」と声明で発表。「移植は胸部手術の責任者であるウォルター・クレペトコとコンラッド・ホッツェネッカーによって成功裏に完了しました」「ご家族が公式な声明を出すことはないことをご理解をお願き、ラウダ家のプライバシーを守るようお願い申し上げます」1975年にフェラーリで初のF1ワールドチャンピオンを獲得したニキ・ラウダは、1976年にニュルブルクリンクで開催されたドイツGPでのクラッシュでマシンが炎上。頭部に大火傷を負い、FRP製のボディーワークが燃えて発生した有毒ガスを吸い込んだため、肺に深刻なダメージを受け、生死の境をさ迷った。しかし、事故発生から6週間後のF1イタリアGPで奇跡のレース復帰を果たし、4位入賞を果たした。その年は1ポイント差でタイトルを逃したものの、翌1977年に2度目のタイトルを獲得。1984年にはマクラーレンで3度目のF1ワールドチャンピオンを獲得している。1976年のジェームス・ハントとのライバル関係は「ラッシュ/プライドと友情」で映画化されている。