メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、ザウバーをBチーム化するというフェラーリの“先見性の高さ”に感銘を受けたとし、今後もメルセデスとしても同様の戦略を導入することを検討していると述べた。フェラーリは2018年にザウバーとの提携を強化。フィアット・クライスラー・オートモービルズ傘下(FCA)のアルファロメオがタイトルスポンサーを務め、チームは「アルファロメオ・ザウバー」として参戦する。
また、フェラーリはこのザウバーとの提携を利用して育成ドライバーのシャルル・ルクレールをレースドライバーとして送り込み、アントニオ・ジョビナッツィためにリザーブドライバーのポジションも確保している。フェラーリは、ハーストとも密接な技術パートナーシップを結んでおり、2016年にハースがF1参入する際には物議を醸した。将来的にもうひとつのFCAブランドであるマセラティをタイトルスポンサーとしてハースの囲い込みを図るのではないかと噂されている。トト・ヴォルフは、これらの契約がフェラーリをどのように強化していくかに注意を払っていると語る。「セルジオ・マルキオンネ(フェラーリ会長)とマウリツィオ(アリバベーネ)がやっていることは非常に賢いと思う」とトト・ヴォルフは ESPN にコメント。「彼らはハースと良好な関係を築いて言える。それはハースを助けるだけでなく、フェラーリにとっても助けとなっているし、現在彼らがザウバーとやっていることは非常に先見性があると思う。反対側にはビジネス面を知っているフレデリック(バスール)というチームプリンシパルがいる。我々にとって危険な同盟になるかもしれない」トト・ヴォルフは、グリッドの他チームと提携するというフェラーリのアイデアを真似ることにオープンであり、すでにその分野を検討していることを認める。「それは我々が検討していることだ。簡単なことではない。他チームとのコラボレーションによって自分たちの組織を妨げたくはないからね。賢明なアイデアを持っているのは我々だけではない。議論はしているが、まだ何も実行には移されていない」現在、メルセデスはワークスチームに加え、ウィリアムズとフォース・インディアにF1パワーユニットを供給している。