F1カナダGPで開幕戦からの連勝が途絶えたメルセデスだが、今後もチームオーダーを発令することはないとのことだ。F1カナダGPでもニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンが駆るメルセデス W05はこれまでと同様にレースを優位に進めていたが、レース中に2人揃ってテクニカルトラブルに見舞われた。
だが、仮にメルセデスが1988年のミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードのようにチームオーダーのもとでレースをしていれば、あのようなトラブルは起こらなかったのではないかと考える者もいる。デビッド・クルサードは、信頼性の不安があったため、レース前の合意でミカ・ハッキネンが優勝した開幕戦オーストラリアGPを振り返り、「当時は傷ついたけれど、それによってチームの1-2が保証された」と振り返る。デビッド・クルサードは、F1カナダGPのレースが、メルセデスを同様のアプローチに向けて動かすかもしれないと考えている。 「今季、また同じように信頼性が極限の状況が訪れた際、メルセデスのアプローチが変わるかどうか興味深い」 モントリオールでメルセデスに発生したトラブルで恩恵を受けたのはレッドブルだった。レースでは、ダニエル・リカルドがF1初優勝を果たしている。レッドブルのヘルムート・マルコは「レッドブル・リンクには長いストレートと上り坂がある。したがって、メルセデスに同様の問題が再び起こらない限り、我々が彼らを倒すことはできないだろう」と Sport Bild にコメント。緊張関係にあるルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが、カナダでも激しく戦っていたのは明確だ。2人は、オープニングラップのターン1でほぼクラッシュしかけ、その後はルイス・ハミルトンからの攻撃を防ぐニコ・ロズベルグがシケインを直進して議論を呼んだ。 ルイス・ハミルトンがリタイアしたのは、テクニカルトラブルが起こってからハードにプッシュしすぎたせいではないか考えられており、逆にニコ・ロズベルグの方はその状況をより巧みに切り抜けたとみられている。元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは「ルイスはニコと同時にブレーキの問題を抱えたが、彼はすぐに適応できなかった。そして、彼はリタイアし、ニコは完走した」 メルセデスの非常勤会長であるニキ・ラウダも「ニコは神のようなドライブだった。間違いなくワールドチャンピオン級だ」と同意する。しかしながら、デビッド・クルサードは、ルイス・ハミルトンにそれほど故障の責任があるとは思えない様子だ。「チームがメルボルンやモントリオールで彼が不具合に影響していることを非難していないのであれば、彼は何も間違ったことをしていない」事実、メルセデスのトト・ヴォルフは、ルイス・ハミルトンに対して公に謝罪している。今のところ、メルセデスはチームオーダーを発令しないという哲学を継続している。「チームオーダーを出すべきだと言われるかもしれない。しかし、それは我々の哲学ではない」とトト・ヴォルフは La Presse に語った。 「ドライバーは2人ともパーフェクトだった。スローダウンさせていれば結果はもう少し良かったかもしれないが、それは我々が望んでいることではないし、間違いなく観客も望まないだろう」
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