メルセデスのテクニカルエグゼクティブディレクターを務めるパディ・ロウは、F1バーレーンGPでドライバーが明確なチームオーダーを無視することはなかったと主張した。レース中に滅多にルイス・ハミルトンやニコ・ロズベルグに話しかけることのないパディ・ロウだが、F1バーレーンGPでは残り10周で2人に「2台とも確実に帰ってくるように」と呼びかけた。
多くの視聴者にとって、それは明確なチームオーダーだと受け取られたが、「OK」と応じたニコ・ロズベルグは、前を走るルイス・ハミルトンに猛アタックを仕掛けた。レース後、メルセデスの非常勤会長であるニキ・ラウダは、笑いながらニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンがパディ・ロウの指示を明らかに「聞かなかった」と述べていた。「彼らはレースしているが、それは哲学の中でのものだ」とニキ・ラウダは Welt はコメント。ニキ・ラウダの言う哲学とはどうやら“クラッシュしない”ことであるようだ。パディ・ロウは、2人が指示を守ったことに満足していると述べた。 「それが何よりも嬉しい。過去10年で最高のレースの一つだった。無線はポジションの維持を指示したわけではない。ただ、彼らにお互いにスペースを空けることを思い出させたかっただけだ」 メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは「彼らは3戦目に愚かなことをしてはいけないことをわかっていた」と述べた。ニコ・ロズベルグも、パディ・ロウの無線はチームオーダーではなかったと振り返る。 「世界中が『ほら来た、チームオーダーだ』と思っているのはよくわかっていたよ。でも、あれはまったくそういうものではなかった。あのメッセージの意図は明確だった。僕たちはすごくハードにドライブをしているけど、最終的には必要とされるリスペクトを持っているので、実際にはあのようなメッセージは必要ない。でも、僕たちはこれからも自由にレースしていくよ」 F1バーレーンGOで注目を集めたもうひとつの“チームオーダー”は、レッドブルがセバスチャン・ベッテルに対して出した指示だ。セバスチャン・ベッテルがペースの速いチームメイトのダニエル・リカルドを抑えていた際、ピットウォールから「セバスチャン、リカルドを先に行かせてくれないか。彼は君より速い」と支持を出した。セバスチャン・ベッテルはこの指示に応じ、ダニエル・リカルドは表彰台まであと1歩の4位でレースをフィニッシュした。「ダニエルへの期待は高まっている」とレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは Auto Motor und Sport にコメント。「彼は最高のドライバーと戦えることを証明した。彼が優秀なのはわかっていたが、正確にどれくらい優れているかはまだ全面的には明らかではなかった」