マクラーレンは2026年F1日本GPで、オスカー・ピアストリが3位表彰台を獲得した。開幕から苦戦が続いていたチームにとって、これが今季初表彰台となる。鈴鹿では一時的に優勝争いにも絡む競争力を見せたが、チーム代表アンドレア・ステラは、そのパフォーマンスは単一の要因ではなく複数の条件が重なった結果だと説明している。
スタートとトラックポジションが鍵オーストラリアでのクラッシュ、中国でのバッテリートラブルを経て、日本GPが今季初の完走となったオスカー・ピアストリは、予選で3番手を獲得。ポールポジションのアンドレア・キミ・アントネッリとはコンマ3秒差だった。決勝ではメルセデス勢がスタートで出遅れる中、ピアストリはアウト側から一気に首位へ浮上。クリーンエアを確保したことでレースをコントロールする展開となった。2026年型パワーユニットの特性上、エネルギー運用の影響が大きい一方で、鈴鹿ではトラックポジションの重要性も依然として高く、この2つが組み合わさったことでピアストリは主導権を握ることができた。セーフティカーが勝敗を分けた21周目に発生したオリバー・ベアマンのクラッシュによりセーフティカーが導入されると、レースの流れは一変した。最大の恩恵を受けたのは、まだピットインしていなかったアンドレア・キミ・アントネッリだった。リスタート後はクリーンエアの中でペースを発揮し、最終的にピアストリに13.7秒差をつけて優勝した。一方でピアストリは、セーフティカーがなければ勝利の可能性もあったと感じており、マクラーレンにとっては流れを失う要因となった。ステラ「我々自身も驚いていた」今回のパフォーマンスについて、アンドレア・ステラは予想外だったことを認めている。「今日、我々は昨日の予選で見えた進歩を確認できた。オスカーは非常に良いスタートを決めてレースをリードすることができた」「我々自身も驚いていた。特に第1スティント終盤では、ラッセルを後方に抑えただけでなく、ギャップを広げることもできていた。だからこそ我々は先にピットへ入ることを検討し、勝利を狙っていた」「セーフティカーがなければどうなっていたかは分からないが、ラッセルに対しては十分に戦えたと思う。実際、今日はマクラーレンとフェラーリのペースはかなり近かった。ただ、アントネッリは誰よりも速かった」パワーユニット理解の進展が寄与ステラは、今回のパフォーマンス向上の要因として、メルセデス製パワーユニットへの理解が進んだことを挙げた。「ここでは我々はフェラーリと互角だった。レースのデータを見ると、フェラーリは依然としてコーナーでアドバンテージを持っている。彼らの方がより多くのグリップを生み出せている」「一方で、我々はパワーユニット全体として競争力のある状態にあり、その恩恵を受けていると思う」この収束により、メルセデス勢との直線性能差が縮まり、ジョージ・ラッセルが決定的な差を作れなかった側面もあった。再舗装された路面が影響もうひとつの重要な要素が、今回の日本GPに向けて再舗装された鈴鹿サーキットの路面だった。ステラは、これまでのレースではフロントタイヤのグレイニングが発生した際、マクラーレンはフェラーリやメルセデスよりも影響を受けやすかったと説明する。「これまでのレースでは、フロントタイヤにグレイニングが出ると、我々はやや影響を受けやすかった」「今回は路面グリップが非常に高く、それが我々の助けになった。シャシー性能が十分でない場合でも、このようなコンディションでは戦いやすくなる」「ただし、全体としてはフェラーリとメルセデスの方が依然として高いパフォーマンスを持っていると考えている」復調の兆しも課題は依然明確中国GPでは2台ともスタートできなかった状況から、日本GPで表彰台を獲得したことは、マクラーレンにとって大きな前進となった。しかしステラの見解は一貫しており、今回の結果はあくまで複数の条件が揃った中でのパフォーマンスであり、マシンの絶対性能でトップに並んだわけではない。次戦マイアミでは大規模アップデートの投入が予定されており、真の競争力が問われるのはそこからになる。今回の表彰台は復活の証明というよりも、改善が機能し始めたことを示す指標と位置付けるべき結果と言える。