F2ポイントリーダーのアレックス・ダンがF1オーストリアGPの金曜フリー走行1回目でマクラーレンから公式セッションデビューを果たした。F1マシンでの初実戦走行ながら堂々の4番手タイムを記録し、将来性を強く印象づけた。FP1ではランド・ノリスのマシンを託された形となったダン。セッション序盤には空力測定用のレーキを装着し、決してタイム狙いのプログラムではなかったにもかかわらず、終盤には1分5秒766の好タイムを記録。チームメイトのオスカー・ピアストリとの差はわずか0.069秒だった。
なお、F1週末に公式セッションへ出走したアイルランド人ドライバーは、2003年のラルフ・ファーマン(ジョーダン)以来、実に22年ぶりとなる。走行後、ダンは「今日の走行にとても満足している。元々の目的はタイムを出すことではなく、テストプログラムをこなしてチームの週末準備を支援することだった。でも最後に少しでも速さを示すことができてうれしい」とコメント。「クリーンなセッションだったし、冒頭の空力走行ではチームに重要なデータを提供できた。TPCテストやシミュレーターで学んだことをすべて実践できたと思う」と振り返った。さらにダンは、マクラーレンに対して感謝の意を述べた。「この機会をくれたマクラーレンのザク、アンドレア、アレッサンドロ、ステファニー、ウォーレン、そしてすべてのスタッフに心から感謝している。セッション終了後、無線で伝えた通り、『子どもの頃の夢が今日叶った』という気持ちだ」と語った。マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラもダンの貢献を高く評価した。「アレックスはランド・ノリスのマシンを使ってかなり広範囲なテスト計画をこなしてくれた。空力パーツ、レーキ走行、ステアリング設定の変更まで幅広く取り組んだ上で、最後には実に堅実なパフォーマンスランを見せてくれた。今週末に向けて重要なデータを収集してくれた」と述べた。現在19歳のアレックス・ダンは、今季FIA F2選手権でポイントリーダーとしてチャンピオン争いを展開中。マクラーレンのドライバー育成プログラムの一員としてF1ステップアップを目指しており、今回のデビュー走行はそのキャリアにおいて大きな一歩となった。マクラーレンは今後もドライバー育成の一環として、FP1の出走枠を若手ドライバーに開放していく方針。将来的なF1シート獲得へ向けて、ダンの名前がさらに注目を集めるのは間違いなさそうだ。
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