マクラーレンは、ドナルド・トランプ大統領が来週F1マシンをテストドライブするという報道について、「事実ではない」と明確に否定した。この報道は、フランスの放送局Canal+の記者ジュリアン・フェブローによってカナダで伝えられたもので、トランプ大統領がオースティンのF1アメリカGPサーキットで旧型マクラーレン車を運転するとされていた。
現在、全米各地で“ノー・キングス”と呼ばれる抗議運動の対象となっているトランプ大統領は、身長191cm、体重101kgとされており、F1マシンのコクピットに収まるのかという話題も一部で浮上していた。しかしマクラーレンはこの件についてコメントを求められた際、Crash.netに対し「トランプ氏が我々のマシンを運転することはない」と広報担当者が明言。「完全に事実無根だ」と一蹴した。トランプ大統領は2024年のF1マイアミGPにもサプライズで姿を見せており、決勝当日にはハードロック・スタジアムでマクラーレンのガレージを訪問。その際には、チームCEOのザク・ブラウン、FIA会長モハメド・ベン・スライエム、F1およびリバティ・メディアのCEOらとも言葉を交わしていた。この訪問を受け、マクラーレンは当時声明を発表しており、そこでは「マクラーレンは政治とは無関係の組織です。ただしアメリカ合衆国大統領という職責は認識しており敬意を払っています。そのため、FIA会長およびF1とリバティ・メディアのCEOらとともに、決勝当日に我々のガレージを訪れたいという要請があった際にはこれを受け入れました」と説明していた。さらに声明では「マクラーレン・レーシングがF1の代表として選ばれたことを光栄に思います。我々の世界クラスのエンジニアリングをモータースポーツの舞台で披露する貴重な機会となりました」とも記されていた。この日、F1初優勝を果たしたランド・ノリスは、トランプ大統領との接触について次のように語っている。「正直言って、彼がガレージにいたのは見ていない。レースの準備で忙しかったから。でもレース後に彼が僕のところに来て、お祝いの言葉をかけてくれたんだ」「こういう立場の人が、自分に敬意を払って時間を割いてくれるというのは光栄なことだと思う」「彼は『君のラッキーチャームだ』って言ってた。だって僕にとっての初優勝だったからね。今後もレースに来るつもりなのかどうかは分からないけど」「今週末はいろんな特別な人たち、クールな人たちが来てた。ドナルドは、その多くの点で敬意を払うべき存在の一人だ」「そして、誰であれ僕たちが何を成し遂げているか、そこに込められた努力を認めてくれるのはありがたいことだと思う。それに感謝している。クールな瞬間だったよ。それだけだね」なお、79歳のトランプ大統領は月曜と火曜にカナダ・アルバータ州で開催されるG7サミットに出席予定で、それ以降の来週の公的イベントについては現時点で発表されていない。
全文を読む