マクラーレンF1チームが長年待ち望んでいたことが現実になっている。ウォーキングの新しいF1風洞が稼働。2024年型マシンの開発が始まる。スロースタートだった2023年F1シーズンは、やはりポジティブな方向に向かいそうだ。過去3戦でマクラーレン勢はレッドブルに次ぐ74ポイントを獲得している。
コンストラクターズ選手権でメルセデス、フェラーリ、アストンマーティンといったF1のライバルたちに差をつけるには、まだシーズンの半分近くも残っている。そして、ウォーキングに待望の新風洞が稼働。これが2024年F1マシンの開発がスタートしている。ただし、これは、現行のMCL60にとっては最後の開発中止を意味する。シーズン中、チームは現行マシンにもう少しアップデートを加えるだろうが、開発は終了する。とはいえ、「今年のマシンで開発していることの多くは、来年にもつながるものだ」とチーム代表のアンドレア・ステラは語る。「トヨタの風洞を出たら、すぐに古いマシンの開発は終了する。新しい風洞で今年のマシンを開発することはない」「計画では、8月の第1週に風洞で新車の開発を開始することになっている」つまり、最新のレーシングカーの開発は始まったばかりということだ。こうして、トヨタのケルン風洞における伝統的な活動は正式に終わりを告げた。マクラーレンは10年以上にわたってこの風洞を使用してきた。しかし、ケルンからウォーキングへのデータやリソースの輸送にはコストがかかった。そのリソースを別の場所で使うことができる。さらにウォーキングの新しい風洞はより近代的で、より現実的なシミュレーションが可能になるはずだ。「新しい風洞は、サーキットでのデータとの相関性を高めるために、いくつかの基準を念頭に置いて作られている。これまでに見たものには勇気づけられている」とステラは語る。新しい風洞に加え、もうひとつの要因がマクラーレンに作用している。現在コンストラクターズランキング5位のマクラーレンは、今後数カ月、ライバルたちよりも多くの風洞とCFDリソースを自由に使えるようになる。「風洞での作業時間がライバルより長いのは嬉しい。特に今は、風洞に持ち込める良いアイデアがいくつかありそうだからだ」とステラは明かす。「本当のゲームチェンジャーは、風洞開発に投入するアイデアやコンセプトの質だ」
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