マクラーレンF1チームのCEOを務めるザク・ブラウンは、F1のトップチームがカスタマーカーを小規模チームのコスト削減に役立つスキームだと本気で考えているならば、無償で提供すべきだと語る。新型コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた現在のF1の危機は、小規模チームに与える大きな経済的影響を軽減するための解決策を巡ってF1を混乱させている。
1チームのコストを削減するためにファクトリーの閉鎖期間の延長や新レギュレーションの導入延期など一連の対策が講じられているが、レッドブルのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、F1がカスタマーカーのアイデアを再検討することを提案しており、それこそが小規模チームにとって最も費用対効果が高く、競争力への最短ルートだと主張している。だが、マクラーレンF1チームのCEOを務めるザク・ブラウンは、各チームが独自にマシンを作るのがF1のコアの基盤であるとカスタマーカーに反対しており、仮にそのアイデアがコスト削減が第一に考えられているのであれば、マシンを販売するのではなく、寄付されるべきだと語る。「我々がその方向に進んだ場合、それらの1年落ちのカスタマーカーはある意味で使い捨てのマシンになる。本当にそうしたいのであれば、それらのマシンを寄付するべきだと私は主張する」とザク・ブラウンは語る。「そうすれば、彼らにはコストはかからない。彼らは自分たちが行った研究開発、予備品などあらゆるものを持っているので、カスタマーにそれを提供し、請求しないでほしい」「それによって彼らにお金がかかるわけではない。そして、もし彼らが本当にカスタマーチームのお金を節約するつもりなら、彼らにマシンをあげるべきだ」またザク・ブラウンは、カスタマーカーの問題を真剣に検討する必要がある場合、一時的な対策としてのみ検討するべきだと語る。また、ザク・ブラウンは、昨年優勝したメルセデスのW10のコピーであるレーシング・ポイントF1チームの物議を醸している2020年のF1マシンのデザインをほのめかした。「私がカスタマーカーのファンではないことをご存じだと思う。誰もがF1のDNAについて話している。つまり、人々は自分たちのコンストラクターであるべきだとね」とザク・ブラウンは言った。「最近、その限界を押し広げた人々があると考えている。自分たちのマシンを作ったかもしれないが、他の人のマシンを作ったというね。それは対処する必要があることだと思う」「カスタマーカーがコストに関するものであり、それが彼らのソリューションである場合、私はそれがバンドエイドソリューションだと思う。なぜなら、危機を抜け出して、カスタマーカーを許可した場合、本来の場所に戻らなければならないからだ」「新しいノーマルは古いノーマルではなくなる。一時的なの修正のように感じている。1~2年は問題が解決するかもしれないが、その後は元の状態に戻るべきだ」