マクラーレンのF1チーム内に不協和音が生じているようだ。現状に不満を抱くスタッフが元チーム代表のマーティン・ウィットマーシュに協力を求めたという。昨年限りでホンダとのパートナシップを解消し、今シーズンからルノーのF1パワーユニットに切り替えたマクラーレンだが、序盤戦はパフォーマンス不足が浮き彫りとなり、トップチームに挑戦できるようなレベルには達していない。
そんななか、マクラーレンのチーム内に内紛が起こっていると Daily Mail が報道。一部のスタッフが従業員を代表して、元チーム代表のマーティン・ウィットマーシュに接触し、現状を打破するために協力してほしいと伝えたという。マーティン・ウィットマーシュは、25年間マクラーレンに所属し、2012年からロン・デニスに代わってマクラーレン・グループの経営責任者に就任。ホンダとのパートナーシップ契約をまとめたのもウィットマーシュだった。しかし、2014年にチームの成績不振の責任を負わされて更迭されマクラーレンを離れている。マーティン・ウィットマーシュは、今回の報道が事実であることを認めている。「マクラーレンの人たちが私に現状について手紙を送りたいと言ってきた。だが、私は彼らに対して、それは私にではなくマンスール(オジェ)に送って欲しいと伝えた」とマーティン・ウィットマーシュはコメント。マンスール・オジェは、マクラーレン・グループの大株主のひとりだ。報道によると、マクラーレンのスタッフは、レーシングディレクターとして現場を取り仕切るエリック・ブーリエの手腕に疑問を抱いており、またマクラーレン・レーシングの最高経営責任者に就任したザック・ブラウンが、F1だけでなく、ル・マンやインディカーへの参戦を計画しているにも不満を抱いているという。マーティン・ウィットマーシュは「私はこのチームを愛しているし、今のようなチームになってしまったことを本当に悲しく思っている」とコメント。「マクラーレンは取り組み方を大きく変える必要がある。主要メンバー間に政治的なしがらみが多過ぎる。私は、彼らの多くはチームを去るべきだと思っている」「自分の考えはマンスールに説明した。この先どうしていくべきかは株主たちが決めることだ」マーティン・ウィットマーシュは、F1以外にもモータースポーツ活動の場を広げようとしているザク・ブラウンの姿勢に反対するスタッフたちを支持していると語る。「このチームはずっとF1で勝つことだけを目指してきた。マクラーレンは、F1レースだけを追い求めるのではなく、異なる方向に進みつつある。これには身震いさせられ」マーティン・ウィットマーシュは、マクラーレンのスタッフらの行動を支持したいと思ったきっかけは、シャシー部門の最高技術責任者を務めていたティム・ゴスの更迭だったとしている。「ティム・ゴスはスケープゴートにされた。マクラーレンのスタッフの代表団が私のドアに姿を見せれば、彼らを追い返したりはしない。彼らは私の立ち位置をわかっているからね」
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