マクラーレンは、2018年のF1世界選手権の開幕戦オーストラリアGPを終え、冬の間に「レッドブルの方が我々よりも良い仕事をした」と語った。昨年、マクラーレンはしばしば“グリッドで最高のシャシー”があると主張。レッドブルよりもさらに優れているが、ホンダのF1エンジンによってそのパフォーマンスは覆い隠されていることを示唆していた。
マクラーレンは、昨シーズン限りでホンダとのパートナーシップを解消。独占供給でベンチマークがなかった3年間を終え、今年からはレッドブルと同じルノーのF1パワーユニットを搭載することになり、開幕戦でのMCL33の実力に注目が集まった。だが、迎えた予選。マクラーレンは、レッドブル、ルノーの後塵を拝してQ2で敗退。Q2でマックス・フェルスタッペンとフェルナンド・アロンソの差は1.2秒、ニコ・ヒュルケンベルグとの差は0.5秒あった。レースではルノーはそこまで印象的ではなかったが、レッドブルとマクラーレンのファステストアップの差は1秒あった。しかし、フェルナンド・アロンソはレッドブルの勢に割って入り5位入賞を果たしている。ルノーよりは優れているが、マクラーレン MCL33はレッドブル RB14の足元にも及ばないというのがF1オーストラリアGPでの評価だ。開幕戦を終え、その比較について質問されたエリック・ブーリエは「去年、データーに基づけば、レッドブルと戦っていた・・・」とエリック・ブーリエは BBC にコメント。「その後の冬の間に他チームが何をやっていたかはわからない。もちろん、レッドブルは最高のシャシーのひとつだと言える。彼らは我々のよりも良い仕事をした」昨年、マクラーレンはルノーとの契約成立が遅れたことで、2018年のMCL33の開発に遅れが生じた。エリック・ブーリエはもっと時間をかければやれることはあったと語る。「それが我々が理想的な世界にたどり着いていない理由のひとつだ」とエリック・ブーリエは語る。「我々は限界までプッシュできなかった。ルノーへの統合とそれに費やさなければならないエネルギーを甘く見ていた。バルセロナに向かったときに十分な準備ができていなかったのは間違いない。ここに来たときはまだ準備中だった」「プッシュするのが遅すぎた。我々は同じ戦略を維持ことを決定したが、エンジンを変更した。(マシン設計に関して)同じエンジンだった場合にやりたかったすべてのことはやった」マクラーレンは、次戦バーレーンGPでアップデートを計画しており、5月のスペインGPでは再設計されたノーズが持ち込まれるとされている。しかし、ライバルも何もやってこないわけではない。去年、マクラーレンが性能の劣るエンジンでルノーに匹敵できていたのであれば、予選でルノーを上回ることはできなかったのかというさらに突っ込んだ質問にエリック・ブーリエは「エンストンが大きなステップを果たしたからだ。今日、エンストンは我々よりも多くの人員を抱えている。F1がどのように機能しているかを読者に説明する必要がある」とコメント。「我々は誰かにチームに資金を投入してくれることを求める必要がある」とエリック・ブーリエは笑うが、マクラーレンの株主であるバーレーンのマムタラカト社は「すでに多くの資金を投入している」と語る。「野心とリソースの問題だ。言い訳をするつもりはない。彼らが良い仕事をしただけだ」「数レースで我々が4番手のチームであることを示すことができると真剣に考えている。我々は多くのアップデートの導入を延期しなければならなかった。それが今日の我々の問題だ。それだけだ」「レッドブルから0.9秒遅れは良くは見えないだろう。それには同意する。我々は隠れたくはない。タイムがそれを示している。繰り返すが、我々には同じエンジンがあるし、彼らと戦えるはずだ。それができていないなら、十分ではないということだ。それくらい単純なことだ」レッドブルの開発力は定評があり、シーズン後半にはしばしば大きな開発率を示してきた。レッドブルはマクラーレンよりも5000万ドル(約53億円)以上多くの予算をかけており、ルノーよりもさらに多くのスタッフを抱えているとされている。だが、エリック・ブーリエは「人生では目標を設定しなければならない。そういうものだ」と譲らない。「私はコンペティターだ。そうでなければ、私はここにはない。我々は現実世界で生きており、F1では資金力はパフォーマンス条件のひとつだ。だが、我々が自分たちのいるレベルで可能な限りベストを尽くしていかなければならない。我々は自分たちよりランクの高い相手と戦えることはわかっているし、それを示していくと思う。全てをまとめるだけの問題であり、これ以上遅れることはない。全てをスケジュール通りに戻そうとしている」「だが、私は自分たちよりランクの高い相手と戦えると思っている。真剣にね」