マクラーレンは、第2回目のF1バルセロナ合同テストの初日もトラブルでスタート。2度の電気的なシャットダウンに見舞われ、ストフェル・バンドーンはわずか7周しか走行できずにタイムシートの最下位に沈んでいる。先週の1回目のF1合同テストでは、初日にホイールナットの故障、2日目にエキゾーストブランケットの破損と脆弱性が露わになっていたマクラーレンだが、2周目もトラブルを抱えてのスタートとなった。
セッション開始直後、ストフェル・バンドーンが走行するMCL33は、インスタレーションラップ後にルノーのF1パワーユニットがシャットダウン。ピットクルーによってガレージに戻された。マシンを修復してコースに復帰したマクラーレンだったが、4周目に同じ電気系のトラブルでコース上にストップ。セッションは赤旗となり、マクラーレンは原因を解明するためにガレージで多くの時間を過ごすことになった。ストフェル・バンドーンは昼休み直前にコースに復帰したが、システムチェックのみで、わずか7周で午前中のセッションを終えている。マクラーレンが見舞われた電気系のトラブルはバッテリーに関連したものだと考えられているが、問題がマクラーレンのシャシー側にあるのか、ルノーのF1パワーユニット側にあるのかはまだ明らかになっていない。だが、同じF1パワーユニットを搭載するワークスルノーは48周、レッドブルは85周を走行している。冷却系に深刻な問題かマクラーレンは1回目のテストでオーバーヒートの問題に悩まされていた。そのため、今回のテストに持ち込まれたマクラーレン MCL33には、クルマの冷却に役立てるためにリアのボディワークに妥協が施されているように見える。先週、エンジンカバーに焦げ跡がついていたマクラーレンは、新たに3つのスロットルを追加。しかし、わずか7周しか走行していないにも関わらず、エンジンカバーのその部分はおそらくエキゾーストもしくはターボが配置されていると見られ、冷却系に深刻な問題を抱えていることが予想される。走行中のエキゾーストの温度は400~800℃に上昇し、断熱材で包まれている。温度の制御ができないとすれば、その付近にあるものは脆弱となる。マクラーレンは、信頼性についてホンダに辛辣な批判を繰り返していたが、もはやマシンにホンダは積まれていない。