マクラーレン・ホンダは、F1メキシコグランプリの予選で、フェルナンド・アロンソが14番手、ストフェル・バンドーンが15番手だった。昨日のフリー走行は、2人のドライバーにとって明暗が分かれる内容となったものの、今朝のFP3はマクラーレン・ホンダにとって順調な滑り出しとなった。両ドライバーは予定していた走行プランを問題なく完了し、マシンのバランスとハンドリングの向上のために昨夜行った作業がいい効果を発揮しているという感触を得ている。
フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンは、それぞれ3回の走行を実施。予選のペースではなくレース用のセットアップに焦点を当てるとともに、セッション後半にはスタートとピットストップの練習も行った。フェルナンド・アロンソは22周を走行して16番手、ストフェル・バンドーンは25周を走行して19番手だった。今週末は両ドライバーがパワーユニットの交換によるグリッドペナルティーを受けるため(ストフェル・バンドーンは35グリッド降格、フェルナンド・アロンソは20グリッド降格)、チームは予選のパフォーマンスよりもレース用の準備を優先することにした(※予選結果にかかわらず、決勝は最後尾からのスタートとなる)。金曜日に十分な走行ができなかったストフェル・バンドーンは、レース用のデータをさらに収集するために、Q1では燃料を多く積んだ状態で走行。それでも堅実なラップタイムを刻み13番手となり、余裕を持ってQ2に進出した。一方、フェルナンド・アロンソは少し異なる戦略を採用し、Q1ではストフェル・バンドーンよりも少ない燃料を搭載して走行を実施。見事な最終ラップを走行したフェルナンド・アロンソは、5番手のラップタイムを叩き出した。Q2では両マシンがコース上に出たものの、いずれのドライバーもタイム計測を行わなかった。両ドライバーに加えてピエール・ガスリー(トロ・ロッソ))もペナルティーを受けるため、日曜日の決勝はフェルナンド・アロンソが18番手、ストフェル・バンドーンは19番手からスタートする。フェルナンド・アロンソ (14番手)「今のところ、今週末はマシンのパフォーマンスにとても満足している。コーナーでは高いグリップがあり、昨日も今日も非常にいい感触を得ている。また、高速区間での感触も良好だ。Q1では、このコースでの僕たちのマシンの力強さを証明することができた。最速タイムからわずか0.2秒差だったことが、マクラーレンがどれだけすばらしい仕事をしているのかを物語っている。今日は全チームの中で自分たちのマシンが一番いいと感じたし、楽しかった! 当然のことながら、今日の主な優先事項は、Q2でタイヤをセーブすることだった。僕たちのマシンはストレートでのスピードが不足しているので、明日の決勝でオーバーテイクをするのは難しいと思うが、それが僕たちにとってはカギとなる。最後尾からスタートするということは、レース全体を通してトラフィックの後方で走行することになるので、ペナルティーを受けることは非常に大きな痛手となる。それでも明日は攻撃的な走りをして、前方でアクシデントが発生した際にチャンスを活かせるようにしたい」ストフェル・バンドーン (15番手)「今週末はペナルティーを受けるため、今日は予選ではなく、レースの準備に焦点を当てた。従ってQ1でも、レース用の準備とマシンのバランスの微調整を行うために燃料を多く積んだ状態で走行した。昨日のFP1とFP2ではパワーユニットの不具合に悩まされ、非常に難しく複雑な一日になった。それに対して今日は、FP3の最初からマシンに対して昨日よりもずいぶんいい感触を得た。実際に僕たちのマシンは力強さを増しつつあり、ここではまずまずの競争力があるようだ。今日は僕にとって昨日よりもずいぶんポジティブな一日だったし、大きな一歩を踏み出すことができた。明日のレースに向けて、まずまずの状態にあるように思う。最後尾からのスタートとなるので、厳しいレースになるし、結果を予想するのは容易ではない。ストレートでオーバーテイクするのは難しいので、積極的でありながら、注意深く、野心溢れる走りをしなければならない。力強いレースができるよう願っている。今日の予選は、僕たちにとって重要ではなかった。明日の決勝を楽しみにしている」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「今週末は両ドライバーが大きなペナルティーを受けるので、レース用のセットアップに焦点を当てる方が合理的だと判断した。今回のレースは、統計上、我々にとって難易度の高いレースの一つなので、パワーユニットの走行距離と貴重なタイヤをセーブする必要があった。FP3を非常に効率よく、実りの多いかたちで実施し、予選を計画通りに完ぺきに実行したチームのメンバーに対して、称賛の意を述べたいと思う。今朝は予定していた作業を問題なくすべて完了し、両ドライバーはマシンをレース用に準備するために精力的に仕事をしてくれた。昨夜、チームのメンバーが明日のレース用のセットアップを改善するために懸命に仕事をしてくれたおかげで、フェルナンドもストフェルも、マシンに対する満足感と感触は今週末の中では今が最もいいと感じている。予選ではフェルナンドが見事なラップを走行し、Q1で5番手のラップタイムを叩き出した。彼のラップタイムはQ1の最速タイムからわずか0.2秒差であり、第2セクターは最速タイムだった。一方のストフェルは、金曜日に十分な走行ができなかったため、今日はレース用の準備をできる限り行う必要があった。通常よりも多くの燃料を搭載しながらも、彼は堅実な走りをし、この難しいサーキットでQ2に進出した。両ドライバーにとって、今日の目的はいい予選順位を獲得することではなかった。大事なのはレースが行われる明日であり、今日のペースは明日を迎えるにあたって励みになった」長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)「今日の予選は、パワーユニット交換のペナルティーにより、日曜のレースでの後方からのスタートがすでに2台とも決まっていることもあり、一日を通してロングランに重点を置いてセットアップを進めてきました。明日のレースで新しいタイヤを履いてスタートすることも考慮し、Q2進出までがチームとしての目標でしたが、2台ともに余裕を持ってそのターゲットに到達できたことはよかったです。パワーユニットの面では、トラブルなく一日を終えることができました。高地の影響によるエンジン出力の低下により、事前から苦しい戦いを想定していましたが、その影響を最小限にすべくHRDさくらで出力コントロールについて...