マクラーレンとホンダは15日(金)、今シーズン限りでF1パワーユニット供給契約を解消することを正式発表。第2期マクラーレン・ホンダは3シーズンで幕を閉じることになった。2015年にホンダはマクラーレンへのエンジン供給というカタチでF1に復帰。1980年代後半から90年代初期にかけて一世を風靡した“マクラーレン・ホンダ”がF1に復活した。
しかし、2014年にF1に導入された複雑なV6ターボ“パワーユニット”で他チームより実戦での1年の遅れがあったホンダは、初年度から信頼性とパフォーマンス不足に苦戦。2016年はやや戦闘力を増したものの、3年目となる今年はコンセプトを一新させた新型パワーユニットにプレシーズンからトラブルが多発。マクラーレンとホンダの決別が盛んに報じられるようになった。そして、F1シンガポールGPのフリー走行1回目が終了した15日(金)、マクラーレンとホンダはプレスリリースを発表。パートナーシップを解消することを正式発表した。2018年シーズンからマクラーレンはルノーからF1パワーユニットの供給を受け、ホンダはトロ・ロッソにF1パワーユニットを供給するとみられている。八郷隆弘 (本田技研工業株式会社 代表取締役社長)「今回、志半ばでマクラーレンと袂を分かつのは非常に残念ですが、お互いの将来に向けた最善の道として決断しました。これまでマクラーレン・ホンダを応援してくださったファンの皆さまをはじめ、2015年の復帰の準備段階から多くの苦楽を共にしてきたドライバーやチーム、関係者の皆さまに心より御礼申し上げます。2017年シーズンはマクラーレンと共に最後まで戦い抜き、2018年以降もF1レース活動を継続してまいります」シェイク・モハメド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ (McLarenグループ Executive Chairman兼執行委員会代表 )「ホンダは、マクラーレンと同じく勝利を目指してF1に取り組んでいます。我々のパートナーシップが当初望んでいた結果を生まなかったとしても、共に歩んできた輝かしい歴史や、F1での成功を目指してきた努力は意義あるものだと思います。しかしながら、今この時点では、別々にレースに情熱を注いでいくことがお互いにとってベストと考え、今回の結論に至りました」ザク・ブラウン (McLarenテクノロジーグループ Executive Director)「ホンダがF1にコミットし、力を注いできたことに疑いの余地はありません。残念ながら、今回のプロジェクトでは、マクラーレン、ホンダともに当初望んでいたような結果を得ることはできませんでした。そこにはさまざまな理由がありますが、決してホンダとマクラーレンのどちらか一方の努力が欠けていたわけではありません。ただ、今は、それぞれが別々の道を歩みだす時が来たのだと考えています。来年からはライバルとして、ホンダがF1に参戦し続け、いつの日か頂点に返り咲くことを期待しています」