マクラーレン・ホンダのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は、ストフェル・バンドーンが下位カテゴリーで学んだドライビングスタイルに固執していることが2017年シーズン序盤の妨げになっていると考えている。今年、ジェンソン・バトンの後任としてマクラーレン・ホンダのレースシートに昇格したストフェル・バンドーンだが、ここまでチームメイトのフェルナンド・アロンソと比較して苦しんでおり、開幕5戦ではQ1を突破することができなかった。
F1に昇格する前、ストフェル・バンドーンは、F4、フォーミュラ・ルノー2.0、GP2でタイトルを獲得し、フォーミュラ・ルノー3.5と日本のスーパーフォーミュラでも勝利を挙げてきた。それらのカテゴリーは、F1とは異なるワンメークシャシーでの戦いであり、マクラーレンは、ストフェル・バンドーンがそのドライビングスタイルにあまりに頑なに固執したことがF1でのパフォーマンスに妨げになっていると考えている。「その種のジュニアカテゴリーでは、全員が同じクルマなので、それらを運転するためにクルマに合わせてドライビングスタイルを発展させていく」とエリック・ブーリエは説明。「F1は違う。週末ごとに新しいフロントウィング、ボディワーク、リアウィング、フロントが持ち込まれ、クルマのバランスは非常に異なるものになる」「若いキャリアの間に1つの方法でクルマを走らせるように教えられたドライバーは、F1ではもう少し柔軟でなければならない。それは経験でしか得られないことだ」「彼は学んでいる。チームは、彼の本来のドライビングスタイルに合わせて、シャシー面、セットアップ面を動かさなければならない。同時には彼はそこから抜け出し、違った走りをしようとしている」マクラーレンは、F1モナコGP前にワーキングの本拠地にストフェル・バンドーンを呼び出し、彼のニーズにより理解するためにエンジニアグループと話し合いを重ねた。その甲斐あってか、モナコGPでバンドーンの状況は改善。予選Q2でスイミングプールでクラッシュしたが、キャリアで初めてQ3に進出した。決勝では、ポイント圏内を走行していたが、セーフティカー後のリスタートでクラッシュしてリタイアに終わった。「エンジニアとの関係を改善して、自分が望むクルマを得られるようにするためにこの2週間にわたってチームと懸命に働いてきたし、それによって良い方向にステップを果たした」とストフェル・バンドーンはコメント。「クラッシュを除けば、予選での結果はとても励みになるものだった。でも、僕たちはコースに出ていくたびに5~6番手にいたし、Q3でもそれを繰り返せるポテンシャルはあったと思う」「継続的な発展だ。僕はまだF1では新人だし、速く走るためにクルマに何が必要かを理解するためにエンジニアとの関係を築き上げているところだ。正しい方向に進んでいる」