ザウバーのF1ドライバーであるマーカス・エリクソンは、来年インディカー・シリーズに転向することで、再びレースで優勝するチャンスを得られることを期待していると語る。2014年にケータハムでF1デビューを果たし、翌年からザウバーで戦ってきたマーカス・エリクソンだったが、チームが定期的にポイントを目指せるようになったのは今シーズンが初めてだった。
ザウバーは、2019年のドライバーとして、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィの起用を発表。マーカス・エリクソンは2019年のF1シートを失うことになった。そして、10月30日(火)にシュミット・ピーターソン・モータースポーツ(SPM)は2019年にジェームズ・ヒンチクリフのチームメイトとしてマーカス・エリクソンが7号車をドライブすることを発表。エリクソンは米国で新たなキャリアをスタートさせることになった。「F1で5年間戦ってきたけど、勝利について考えたことは一度もなかった。現実的ではないからね。本当に難しかった。精神的にとても厳しかったね」とマーカス・エリクソンは認める。「だからこそ、僕はこのチャンスを掴むことができてとても興奮している。再び優勝や表彰台を争うチャンスを得られると思っている」「それが本当に僕を突き動かしている。僕にとってそれが来シーズンについて最もエキサイティングなことのひとつだ」マーカス・エリクソンは、昨年フェルナンド・アロンソがインディ500に参戦したのを見たことが、インディカー転向について励みになったと語る。「本当にクールだった。インディカーについて、将来ここに来る可能性について、より考えるようにもなった」「彼がそこに飛び込んだことが、僕の心を開いたのは間違いない。彼と少し話をしたけど、彼はここをとても愛していると言っていた」マーカス・エリクソンは、元F1ドライバーで2016年のインディ500のウィナーであるアレクサンダー・ロッシとも話をしたと続ける。「彼は僕が100%気に入るだろうと言っていた。レースは素晴らしいし、ドライバー間の雰囲気も本当に良くて、全員がそれを楽しんでいるとね。彼はチャンスがあるのであれば、まったく悩むべきではないと言っていた」「一員になるには本当に楽しいシリーズだと思う。さっきも言ったけど、レースも本当に良さそうだ。それら全てのことをアレックスも僕に言っていた」しかし、マーカス・エリクソンは、F1からインディカーに転向することで、すぐに成功を収めることへの注目が集まることもわかっていると語る。「僕に高い期待が寄せられるのは間違いないだろう。F1で5年間、100レース近くを戦っているんだからね」とマーカス・エリクソンは認める。「僕はこのステップで役に立つと考えている大きな経験を積んできた。すぐに戦えると思ってここに来ている。でも、全てが新しいので、多くのハードワークが必要になることもわかっている」「インディカーの競争はかなりタフだ。過小評価しないことがとても重要だ。多くのハードワークが必要になるだろう」2019年にインディカーにフル参戦するマーカス・エリクソンだが、サードドライバーとしてザウバーに残ることも決定しており、F1の可能性はまだ閉ざしてはいない。しかし、マーカス・エリクソンは、F1復帰を目指しているが、インディカーは1年だけの繋ぎではなく“長期的なプロジェクト”だと語る。「うまくやりたい、ここで自分自身のキャリアを終わらせたいと思ってここに来ている。でも、そうは言っても、僕はドアを閉めてはいない。今後何が起こるかはわからない」マーカス・エリクソンは、すでにSPMでシート合わせを実施しており、クリスマス前にはコース上で初めてインディカーを走らせることを期待している。