ロータスのチームオーナー兼代表であるジェラルド・ロペスが、F1ハンガリーGPが開催されるハンガロリンクに珍しく姿を現すことになるかもしれない。昨年はサーキットに実際に姿を見せ、チームの指揮にあたっていたジェラルド・ロペスだが、今年はほとんどサーキットへは姿を見せることはなく、チームの指揮は最高経営責任者であるマシュー・カーターに委ねている。
最近、マシュー・カーターは、ジェラルド・ロペスについて「3回は無理でも今季も間違いなく2回はレースに顔を出す」と語り、ジェラルド・ロペスは現在「他のプロジェクトで忙しいん」と主張していた。だが、そのジャルド・ロペスにとって早急に片づけなくてはならない問題のひとつが、ルノーとの交渉のはずだと Turun Sanoma が報じている。エンストンに本部を構えるロータスは、もともと2010年まではルノーのワークスチームとしてF1参戦を行っていたチームだ。ルノーが再びワークスチームを擁してのF1復帰を検討する中、財政難に苦しむロータスがルノーにチームを買い戻してもらう方向で交渉を行っていることが報じられていた。同紙は、そのための「時間切れが迫っている」と指摘しつつ、「ロペスとゴーン(カルロス・ゴーン/ルノー最高責任者)が、契約を結ぶためにハンガリーGPで合うことを計画しているという情報がある」と報じた。「ロータスは、現在債務者であるエクストラック社との訴訟を抱えており、財政的に厳しい状態にある。もしこの契約が成立すれば、負債はルノーが引き受けることになるだろう」さらに、ルノーがロータスを買い戻すことを決めた場合に、2014年6月までケータハムのチーム代表を務めていた現ルノーF1プロジェクト責任者のシリル・アビテブールがチームを率いることになると考えられていると指摘。だが、ルノーの首脳部の中には、まだ37歳で、ケータハムでのチーム代表経験も合計2年に満たないシリル・アビテブールでは経験不足ではないかと考えている者もいるようだとも付け加えている。そんな中、かつて4度F1タイトルを獲得した元F1ドライバーであり、現在はルノーのアンバサダーも務めるアラン・プロストがチーム代表候補だろうと予想するものも出てきている。いずれにせよ、ルノーがロータスを買い戻して自らのワークスチームとした場合には、当然ながら現在ルノーからワークスエンジンの供給を受けているレッドブルに対してこれまでと同じような対応を行うことは難しくなるだろう。だが、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、そういうことは起こりえないと主張。「ルノーとの間に、優先的処遇を行うことを保証するという非常に明確な契約を結んでいる」と述べた。