F1のマネージングディレクターを務めるロク・ブラウンは、ウィリアムズやマクラーレンといったチームが消滅することはF1にとって大打撃であるが、シリーズとしてやれることはやっており、財政危機に陥っているのはパフォーマンスを含めたチーム側に責任があると語る。先週、ウィリアムズF1チームは、タイトルスポンサーのROKiTとの契約解消を発表するとともに、チームの支配権を含めた売却の道を模索していることを明らかにした。
また、マクラーレンも新型コロナウイルス危機によってグループ全体で大幅な人員削減などのコスト削減策を実施しており、CEOを務めるザク・ブラウンは、危機を乗り越えるためにはF1に大幅な改革が必要だとして予算上限の引き下げを求めていた。F1は2021年に導入する予算上限を1億4500万ドルまで引き下げるとともに、次世代マシンの導入を2022年まで延期。シャシーやエンジンの開発を制限するなど、コスト削減策を講じている。F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、レギュレーション変更によってウィリアムズを含めたすべてのチームが将来にコミットできる環境が整ったと自信をみせている。ちょうど2021年は新しいコンコルド協定を結ぶタイミングとなる。「我々が実施したことがなければ、さらに心配な状況だったと思う。だが、かなり安定している」とロス・ブラウンはコメント。「ウィリアムズの状況は対処する必要があるが、ウィリアムズの買収をかなり真剣に考えている人々がおり、それは真剣に検討することができるまともなビジネスが背景にあることを示していると思う」ロス・ブラウンは、自身がF1でのキャリアを開始したウィリアムズF1に愛着はあるものの、組織として変化していく必要があると強調する。「素晴らしい遺産を持ったチームであり、もちろん、彼らには愛着がある。だが、F1はかなり残忍なものであることは現実であり、トラックで2週間ごと、今後数か月は毎週のように評価されていくことになる」「隠れることができる場所はない。正直に言えば、ここ数年のように最下位でフィニッシュしていれば、このような結果になってしまうものだ。そして、残念ながら、彼らはその点に達してしまった」「誰がそこに行ったとしても、彼らがパフォーマンスを発揮できなかった根本的な理由、それが単なる財務上のことなのか、それとも彼らが構造の問題なのか、あるいは彼らが取ったアプローチであるのかを見極める必要がある。正直、私にはわからない」「だが、それを理解する必要がある。単なる財政的であり、追加の財政的支援があれば、彼らはより競争力を持つことができるかもしれない。そこに行って何が起こっているのかを理解しようとする人が必要だ」ウィリアムズに加え、マクラーレンというF1での名門チームが財政難に陥っていることはF1にとって見栄えのいいことではないとロス・ブラウンは認める。「見栄えのいいことではないが、我々は適切に行えるようにできることはすべてやってきた。彼らは再び軌道に戻す必要がある」とロス・ブラウンは語る。「どちらのチームもパフォーマンスが悪かった。マクラーレンがチャンピオンシップで優勝しており、それでも今の状況にいるとしたら、それはF1に問題があると言えるだろう」「だが、実際にはマクラーレンはここ数年かなり成績が悪かった。F1とは残忍なものだ」「F1に無料の乗り物はない。そのレベルで数年間パフォーマンスを行えば、結果として支払いが発生し、スポンサーを失い、以前の賞金を手に入れることができないという負のスパイラルに陥る」「素晴らしかったチームがストップすることになるのであれば、ここで何が悪いのかを調べなければならないだろう。だが、実際には、数年間パフォーマンスが低下している2チームだ」