F1のスポーティングマネージャーを務めるロス・ブラウンは、現在のF1グリッドに存在するトップ3チームと残りのチームとの間にあるギャップは“っ容認できない”ものだとしている。2014年にF1にV6ターボハイブリッドが導入されて以降、レースで勝利を飾っているのはメルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームだけとなっており、グランプリによっては残りの7チームとの1秒以上のパフォーマンス差が生まれることも珍しくない。
今年、3強チーム以外で表彰台に上ったドライバーは、4月のF1アゼルバイジャンGPで3位入賞を果たしたフォース・インディアのセルジオ・ペレスだけとなっている。コンストラクターズ選手権を4位で終えたルノーは、ワークス参戦して以降まだ一度も表彰台に到達しておらず、ランキング3位のレッドブル・レーシングとは297ポイントもの開きがあった。ロス・ブラウンは「事実上、彼らは自分たちだけのチャンピオンシップでレースをしているよなものだ。彼らとメルセデス、フェラーリ、レッドブルとのパフォーマンス差はあまりに大きすぎる」とロス・ブラウンはコメント。「2017年もその7チームの中からドライバーが表彰台に上がったのは、一風変わったサーキットであるバクーだけだった。昨年はウィリアムズのランス・ストロール、今回はフォース・インディアのセルジオ・ペレスだ」「123回の機会があったなかで、たったの2回というのは容認しがたいことだ。特に昨今では今まで以上に技術面や財政面の乖離が大きくなっている」F1は、2021年にレギュレーションを大幅に変更してその乖離を修正しようとしており、2023年には支出を1億5000万ドル(約170億7000万円)に制限する予算キャップの導入を検討している。ロス・ブラウンは、この問題はF1としてトッププライオリティに位置付けられていると語る。「我々が、FIA、そしてチームと協力して取り組んでいる問題だ。そこにはF1の未来が懸かっている。様々なソリューションが出ているし、我々がこのような状態をそう長くは続けられないことを認める必要がある」「“他”のチャンピオンシップに言及して反感を買うつもりはない。単に状況を描写しているだけであって、彼らのバトルは確かにスリリングだった。しかし、8位を巡るバトルでファンが心から興奮することは難しい」「とは言え、4位でフィニッシュして進歩を確実に証明したルノー・スポールF1チームを祝福したいし、わずか3年目にして5位になったハースF1チームの業績も素晴らしいものだ。過去2年間苦しんだザウバーはルクレールの才能のおかげもあって反撃に転じた。「「だが、とりわけ企業とチームの存続自体を脅かした深刻な問題のなかでも、取り乱すことなくシーズンを通してハードワークを続けたフォースインディアのメンバーには特別な言葉を掛ける必要があるだろう。フォースインディアをグリッドにとどめることができ、安定した未来を保証できたことが2018年で最も重要な出来事の1つだったと私は考えている」