F1の新スポーティングディレクターに就任したロス・ブラウンは、フォーミュラ1の将来を形成するべく、パドックでリスペクトされている5~6人で結成する独立したタスクフォースを計画していることを明かした。今年、リバティ・メディアがF1を買収し、ロス・ブラウンをスポーツ面の責任者に任命した。だが、元メルセデスのチーム代表であるロス・ブラウンは、自分自身で全てを決定するのではなく、F1を前に進めるための重要な決定をするために専門家の委員団を利用する計画だと述べた。
「我々にはFOM内で働いている専門家や業界で認められている人々がいる。人々は彼らをリスペクトすると思う」とロス・ブラウンは Autosport にコメント。「大きなチームにはならない。5~6人くらいだ。だが、私の経験と知識があれば、我々が望むことやプロセスにインプットするためのしっかりと理由づけされた議論をするには十分なキャパシティだ」「我々が確実としたいのは、時間とともにショー、レース、そしてコストのクオリティを常に考慮することだ」「スポーツの健全性のため、あるべき決定をするために、競技的に非常に大きな考慮点がものがあるかもしれないし、私はそう理解している」「だが、そこには誰かが『ファンがどう考えているか、どれくらいコストがかかるか、レースに及ぼす影響について考えているだろうか?』と旗を振らなければならない決定もある」ロス・ブラウンは、タスクフォースの主題のひとつはオーバーテイクを改善させる方法を検討することだと述べた。F1の多くの人々は、今年の新しい空力レギュレーションによって、オーバーテイクがより困難になってしまうことを懸念している。ロス・ブラウンは「複雑な問題だ」とコメント。「我々はクルマを遅くしたくはないし、現状のグリップレベルを望んでいる。だが、後続のクルマの妨げにならないようにそれを実現したい」「我々がそのタスクを適切な人々に任せ、ソリューションを見つけるために1年から18ヵ月を与えれば、後続のクルマが付いていけるF1カーを設計できるのではないか?」「以前にオーバーテイク・ワーキンググループと一緒にそれをやってきたことは知っているが、我々にチームが現在得ているような知識と能力があったとは思わない」「CFDによって大きな差が生まれた。現在、それはオーバーテイクを改善させられる方法を調べる新しい機会をもたらしている」「適切なレベルの空力グリップがありつつ、後流に優しいクルマを造り出すことができれば・・・そんなことは無理だという人はたくさんいるが、私は本気でそれを考えてきたとは思っていない」