リアム・ローソンは、F1オランダGPのフリー走行2回目のクラッシュで左手を骨折したダニエル・リカルドの代役として急遽F1デビューを果たすことになった。ニュージーランド出身のローソンは、レッドブルのジュニアドライバープログラムのメンバーで、今シーズンは日本のスーパーフォーミュラに参戦している。
彼はザントフォールトの現場におり、ブルース・マクラーレン、1967年チャンピオンのデニー・ハルム、ブレンドン・ハートレーらに次いで、グランプリスタートを切る10人目のニュージーランド人となる。レッドブル・ジュニア・プログラムからF1でドライブする16人目のドライバーになるべく準備を整えるローソンについて、知っておくべきことを調べてみる。リアム・ローソンって誰?2002年2月11日生まれのローソンは、新しいチームメイトの角田裕毅とウィリアムズのローガン・サージェントに次いで、21世紀生まれでF1に参戦する3人目のドライバーとなる。ニュージーランドとオーストラリアでジュニアランクを駆け上がり、17歳を迎えるまでに、フォーミュラ・ファースト、フォーミュラ・フォード、フォーミュラ4、F3アジア選手権そしてトヨタ・レーシング・シリーズで勝利を収めている。2016/17シーズンのニュージーランド・フォーミュラ・フォード1600で15戦14勝(他は2位)を挙げてタイトルを獲得したローソンは、2018年のADAC F4選手権に参戦するためにヨーロッパへ渡った。ローソンは2019年2月にレッドブルのジュニアプログラムに参加した。その年にFIA F3に参戦し、メルセデスのジュニアであるフレデリック・ベスティやラルフ・シューマッハの息子デヴィッドらと戦い、ランキング8位でシーズンを終えた。FIA F3での2年目となった2020年は、3勝を挙げてランキング5位という成績を収め、2021年にハイテックグランプリでFIA F2へのステップを踏んだ。デビュー戦となったバーレーンではランド・ノリスが2018年に達成したデビュー戦優勝の偉業を真似たが、表彰台に上ったのは2度だけでランキング5位と言う結果だった。同時にレッドブルAFコルセからDTMへの参戦。Ferrari 488 GT3 Evo 2020を操り、ルーキーにして見事総合2位でシーズンを終えた。2022年にカーリンに移籍すると、スプリントレースで4勝を挙げてランキング3位となったが、王者フェリペ・ドルゴビッチとは100ポイント以上の差があった。2023年、F1シートを獲得できなかったローソンは日本とスーパーフォーミュラに参戦し、タイトル争いに加わっている。10月末に鈴鹿で行われるダブルヘッダー最終戦を控え、現在首位の宮田莉朋とは8ポイント差となっている。ローソンのF1チャンスローソンがF1マシンをドライブするのは、今週末のオランダGPが初めてではない。ローソンは、2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで2011年型レッドブルRB7をドライブし、F1カーの運転を初めて体験した。2021年シーズンの終わりに、アルファタウリとともにAT02を運転してアブダビのヤングドライバーテストに参加し、翌年チームのリザーブ兼テストドライバーを務めることになった。2022年、ベルギーGPでフリー走行初デビューを果たし、メキシコGPのFP1でもチームの一員としてドライブしてチーム必須のルーキードライバー枠を満たしたが、ブレーキ火災により走行が中断された。また、シーズン最終戦のアブダビGPでは、最初のプラクティスセッションでワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンに代わって出走し、その後ヤス・マリーナでのポストシーズンテストでタイトルを獲得したRB18をドライブした。レッドブルはアカデミー内で「最も驚異的な才能の一人」と評されているローソン。ニック・デ・フリースが解雇された後、リカルドがアルファタウリでのポジションを獲得し、来年そのチャンスが訪れると多くの人が予想していたが、21歳のローソンはザントフォールトのパドックに到着したため、彼のデビューは予定よりも早くなった。ローソンはセバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペン、カルロス・サインツ、ピエール・ガスリー、アレックス・アルボンというアカデミーを卒業してレッドブルの姉妹チームシートに加わったドライバーの14名リストに加わることになる。FP2直後、ローソンはガレージに入る姿が目撃され、金曜後半のドライバーズブリーフィングに出席したと伝えられている。
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