メルセデスAMGは、カスタマーレーシングチーム「アイアン・リンクス」と共に、2025年のル・マン24時間レースに26年ぶりとなる復帰を果たす。6月11日から15日にかけて開催されるこの伝統の耐久レースに、3台のメルセデスAMG LMGT3がグリッドに並ぶ。今回の参戦に際し、特別なデザインコンセプトが用意された。
3台のマシンには、1989年に伝説の1-2フィニッシュを飾ったザウバー・メルセデスC9をモチーフにしたカラーリングが施される。当時、優勝を飾った#63号車には、先日逝去したヨッヘン・マスも搭乗していた。3台のドライバーラインアップ#60号車は、マッテオ・カイローリ、マッテオ・クレッソーニ、クラウディオ・スキアボーニのイタリア人トリオが担当。いずれもル・マン出場経験が豊富なベテランだ。#61号車には、オーストラリアのマーティン・ベリー、18歳で今大会最年少ドライバーのオランダ人リン・ホーデニウス、そして経験豊富なメルセデスAMGパフォーマンスドライバーのマキシム・マルタン(ベルギー)が名を連ねる。#63号車は、前年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)で出場権を獲得したマシンで、オーストラリアの父子コンビ、スティーブン&ブレントン・グローブと、2018年にもル・マンを走ったルカ・シュトルツ(ドイツ)がドライブする。デザインはC9へのオマージュ3台のメルセデスAMG LMGT3は、1989年の伝説的マシン「ザウバー・メルセデスC9」へのオマージュとして、当時のデザインを再現。シルバーベースのボディに、サイドミラーには識別用のカラーが施されるなど、歴史への敬意が表現されている。ル・マン24時間レース 基本データ・ サーキット:サルト・サーキット・ 全長:約13.626km(公道 約9km+常設コース 約4.5km)・ コーナー数:38・ メルセデスの前回参戦:1999年・ アイアン・リンクスのル・マン初参戦:2020年(LMGTE-Amクラス)・ チームの最高成績:2021年 LMGTE-Amクラス3位(クレッソーニ、イロット、マストロナルディ)各ドライバーの注目実績#60号車・ カイローリ:2017年から連続出場中(9回目)・ クレッソーニ:2015~2024年で7回出場、2021年にクラス3位・ スキアボーニ:2019年から連続出場(7回目)#61号車・ ベリー:2025年が初出場・ ホーデニウス:2025年が初出場&最年少ドライバー・ マルタン:2025年で10回目の出場、2020年にGTE Proクラス優勝#63号車・ ブレントン・グローブ/スティーブン・グローブ:ともに初出場・ ルカ・シュトルツ:2018年に初出場(クラス3位)、今回は2回目関係者コメントクリストフ・ザーゲミュラー(メルセデスAMGモータースポーツ部門責任者)「メルセデスAMGにとって、26年ぶりのル・マン参戦は非常に重要な瞬間です。1989年の1-2フィニッシュという偉業を称える形で、当時のC9に敬意を表した特別なデザインで挑みます。この3台は現在のカスタマーレーシングを代表する存在であり、同時に歴史への敬意を体現しています。ル・マンでこの伝統を継続できることを嬉しく思います」シュテファン・ヴェンドル(メルセデスAMGカスタマーレーシング責任者)「WECプロジェクトとアイアン・リンクスとの連携は当初から非常に密なものでした。着実な成長と学びの積み重ねが今の礎となっています。ル・マンのようなレースでは、タイムだけでなくチーム・技術・ドライバーの完璧な連携が求められます。我々はこの挑戦に大きな期待を寄せています」マッテオ・カイローリ(#60)「ル・マンのすべてが好きです。1週間前の伝統的なドライバーズパレードも含め、何万人ものファンが集まる姿は、このレースの特別さを象徴しています。9回目の出場となる今年は、ミスのない強い走りを目指します。メルセデスAMGが26年ぶりにル・マンに戻ってくるのは本当に特別なこと。必ず価値ある復帰にしたいです」マキシム・マルタン(#61)「ル・マンは毎回特別な感情が湧くイベントです。初出場となるチームメイトと共に、しっかり準備を進めています。1989年のC9をオマージュした今回のカラーリングは、ブランドの歴史に対する素晴らしい敬意であり、その一員になれることは光栄です」ルカ・シュトルツ(#63)「ル・マンは、ドライバーにとって最も名誉あるイベントの1つ。雰囲気はF1にも匹敵するほどです。今年は3週連続の24時間レースの最初の舞台でもあり、体力的にも挑戦となるでしょう。ブレントンとスティーブン・グローブとのレースを楽しみにしています」
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