FIAは、2025年F1ラスベガスGPにおいてフリー走行2回目(FP2)終盤に発生した遅延を受け、コース上の複数のマンホール構造物に対して夜通しの追加作業を行った。問題となったマンホールの修復に加え、レーススピードの走行ライン上にある14箇所のマンホールにも予防措置として溶接が施された。FP2ではセッション最後の四半期に赤旗が出され、コーナー17付近のマンホールカバーが緩んでいるとのマーシャルからの報告により走行が停止した。
レースコントロールによる点検後に再開されたものの、作業員が現場に留まりカバーが依然として動いていると判断したため、再び赤旗が掲示された。FIAが夜間に実施した修復と予防措置問題となったマンホールは夜間に分解・精密点検が行われ、閉鎖機構に特定の欠陥があることが判明した。FIAはこの不具合を夜のうちに修復したうえで、さらなる安全対策としてカバーを溶接した。FIAは声明で次のように述べている。「FP2で赤旗の原因となったマンホールは分解され、さらに詳しい点検が行われた。閉鎖機構に特定の不具合が見つかり、この問題は夜間に対処することができた」「この問題への対応作業に加え、このマンホールのカバーについては追加的な安全策として溶接が施された」さらにFIAは、走行ライン上またはその付近にあるすべてのマンホールを夜通しで再点検し、14のマンホールについて追加溶接を実施したと説明した。過去のラスベガスでの類似問題と今回の性質ここ3戦で2回目となるラスベガスのマンホール問題だが、今回は事前の“予防的措置”であった点が大きく異なる。2023年のFP1では車両通過時に排水溝カバーが吸い上げられ、深刻な遅延を招いた。その際にはカルロス・サインツのマシンが緩んだカバーと衝突し、大きな損傷を受けた。一方で今回の遅延は、レースコントロールが車両に影響が出る前に潜在的な問題を特定し、 proactive(先手を打った)対応を取ったものだとされている。
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