ランド・ノリス(マクラーレン)は、F1ラスベガスGPで自身とオスカー・ピアストリの2台が失格となり、タイトル争いのリードが24ポイントまで縮まったにもかかわらず、「何も変わっていない」と強調した。タイトル決定の可能性を残したまま迎えるカタールGPで、ノリスは平常心を保ちつつ“勝つこと”だけに集中している。
ラスベガスでは2位(ピアストリは4位)でフィニッシュしたものの、両車がスキッドプレート摩耗の規定違反によって失格。ポイントリードは大幅に減少したが、ノリスはその結果を冷静に受け止めており、「チームの努力が報われなかったのは残念だが、タイトルに向けた考えは変わらない」と語る。ラスベガス失格「ショックではなかった」ノリスは、失格という厳しい結果にも動揺はなかったと明かす。「怒ってはいない。助けにはならないけどね。レース中にはすでに何か起きていると分かっていたから、ショックではなかったし驚きもしなかった。我々は予想以上の問題を抱えていたし、仮に勝っていたらもっとショックだったかもしれないけど、そうじゃなかった。悲しんでも仕方ない」「もちろんチームのみんなはガッカリしていた。多くの努力が無駄になったからね。でも僕自身は意外と大丈夫だった。今はただ今週末に向けてワクワクしている。何も変わらない。ここカタールでも勝ちたいし、アブダビでも勝ちたい。悔しいけど、それが人生だ」車高調整で“むしろ速くなる”と確信ラスベガスでの予想外のポーポイズ発生と摩耗を受け、マクラーレンは車高を上げる方向でセットアップを調整する。「車高を上げても遅くなるとは思わない。むしろ速くなると思う。これでどこでも抑えなくてよくなるからね。遅くなると思っている人もいるけど、たぶん速くなるよ。楽しみだ」ノリスは冷静さを保ちつつ、タイトルの重圧にも屈しない。「こんな状況は初めてだけど、ワクワクしている。もちろん30ポイント差の方がよかったけどね。でもみんなにとってはエキサイティングなんでしょ?それなら良かったよ」「やることは単純。勝つだけ」ノリスはカタールでチャンピオンを決める可能性を残すが、その姿勢は終始一貫している。「やることは同じ。良い予選をして、良いレースをするだけ。早く決まるに越したことはないけど、僕のやることは変わらない。勝つ、それだけだ」プレッシャーが高まる中でも、ノリスは“走りたい”という純粋な欲求を語った。「先週末のあと、さらに走りたい気持ちが強くなった。ミスを受け入れて、また前に進むだけ。自分たちの良い流れを続けたいし、その準備はできている」フェルスタッペンとピアストリとの三つ巴へ「簡単じゃない」フェルスタッペンが一時は100ポイント以上離れていたものの、圧巻の追い上げで24ポイント差まで接近。ピアストリも好調を維持しており、三つ巴の最終盤を迎える。「マックスは去年もその前もここで勝っている。今回も接戦になると思う。レッドブルはこの6〜7戦、全体的にもっともいいパフォーマンスを見せている。簡単だとは思っていない。ハードワークして、自分たちに集中して、目標はポールと勝利。それだけだ」ノリスは静かに燃えている。24ポイント差、残り2戦。初タイトルは目前だが、焦りも浮かれもない。彼が見ているのはただひとつ――チェッカーフラッグの先にある“初の世界王者”という景色だ。