ランド・ノリス(マクラーレン)が、2025年F1ハンガリーGPで今季5勝目、通算9勝目を挙げた。序盤に順位を落としながらも、チームとともに判断した1ストップ戦略を貫き、終盤の猛追をしのぎ切って見事な勝利を収めた。ピアストリとの接戦を制して迎えたサマーブレイク直前の一戦。ノリスは「正直、死にそうだった」と語るほどハードなレースだったという。
「本当にきつかった。最初は1ストップなんて考えてなかったけど、スタート直後の展開で他に選択肢がなくなった。第1スティントを終えた時点で、もうそれしかなかったんだ」「最終スティントでオスカーが迫ってきたときは、本当に限界までプッシュしてた。声も枯れたし、全力を出し切った。そういう意味でも、今日の勝利はより報われた気がする。最高の結果だよ」レース序盤、スタート直後にポジションを5位まで落とした時点で、チームから1ストップの可能性を問われたノリスは「やってみよう」と返答。最初はこの戦略で勝てるとは思っていなかったという。「2位には届くかもと思ってたけど、まさか勝てるとは思ってなかった。最初のスティントでジョージの後ろにいた時もペースは良かったけど、抜くのが難しくて…。でもクリーンエアさえ得られれば自分のリズムで走れると思っていたし、戦略を信じて全力で走った。そういう意味で、今日は本当にすべてがうまくかみ合った」「こういうレースはギャンブルの部分もあるけど、同時にミスをしないこと、ラップごとの集中、戦略、全部が揃わないといけない。今日は全部が揃った。だから嬉しいよ」1ストップ作戦で猛追を振り切り今季5勝目を挙げたこれでノリスは、ピアストリとの差を縮めた形でサマーブレイクに入る。「正直、勢いがこっちにあるかどうかは分からない。ここまで本当に僅差の戦いが続いてるから。オスカーとレースするのは楽しいし、厳しくもある。チームとしてまた1-2を達成できたことも素晴らしい。これはF1通算200勝目でもある。記念すべき勝利だね」「1ストップで走り切れるかって? それよりも、そのペースで持たせる方が大変だった。第2スティントは毎周全開だったし、ハードタイヤを最後まで持たせるにはリスクもあった。ミスしたら全部台無しになるからね。ラバーが薄くなって、ロックアップもしやすくなる。1コーナー、2コーナー、シケイン…どこでミスしても終わりだった。だから本当に難しかった」スタートで5番手に落ちた展開については、「『最高だな』って思ったよ。実際そう言った(笑)」とジョークを交えながら回顧。「いろいろ動画を見て研究してきたんだけど、うまくいかなかった。スタート自体は悪くなかった。シャルルも良かったし、オスカーが左に寄ってきて、僕は右に行かざるを得なかった。その時点でスリップストリームも使いづらくなって…。結果的に今回は最悪の展開だったけど、もう一度やれば違う結果になる可能性もある。今回は運が悪かっただけだと思ってる」後半戦に向けては「すでに厳しいけど、これからもっと厳しくなる」と語る。「オスカーとの戦いは小さな差で決まってくるし、自分がもっと改善できる部分もある。休養をしっかり取って、後半戦に備えたい。結果は良くても、自分でレースを難しくしてる部分もある。そこを直せれば、もっといい位置で戦えるようになる」
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