佐藤公哉が、F1イギリスGPと併催されたGP2シリーズ第5戦のレース週末を振り返った。好天に恵まれた7月4日、午後0時からの練習走行(45分間)で佐藤公哉はハードタイヤを履いてコースイン、予選と決勝に向けてクルマの最終確認に臨んだ。しかし、前回大会同様にクルマの戦闘力が不足しており1分42秒826の23番手に留まった。
同日午後3時55分からの予選(30分間)ではミディアムを履いてコースイン。2セットを使ってタイムアタックに挑んだが、クルマは改善の兆しが見えず1分41秒686の22番手だった。「前回のオーストリア大会と同じく、練習走行の段階からクルマはコーナーで滑りまくりでした。しかも、今回はコーナー立ち上がりのトラクションがとても不足していてリアタイヤが激しくホイールスピンし、クルマがなかなか前へ進まない状況にとてもイライラしました。また、ホイールスピンによってリアタイヤがヒートアップすると、必然的にタイヤのグリップが低下しますからコーナリングスピード不足も招きます。攻めたら攻めたでクルマがどこへ飛んで行くか分からない状態で、運転していて気持ち悪くなりました。練習走行から予選までの短時間でできる限りの調整を施しましたが、結局クルマはほとんど改善されておらず不本意な予選結果となりました」雨上がりの5日午後2時40分過ぎに始まった決勝レース1(29周・最大60分間)、前日の予選結果に基づき22番グリッドの佐藤公哉は、一向に安定しないクラッチに手を焼きスタートで失速。それでも直後の速度の伸びは良く、順位を回復して第1コーナーへ進入。しかし、第1コーナーで先行車両に追突してクルマは手負いの状態となり、さらにはピットストップの際にアクシデントに見舞われて大きく後退。それでも最後まであきらめずに周回を続けて、23位でチェッカードフラッグを受けた。「決勝レース1のスタートはホイールスピンが酷くなかなか前へ進みませんでしたが、そのあとの加速は良く傷口を広げずに済みました。ただ、第1コーナーで急減速した前のクルマに追突して、フロントウイングに大きなダメージを負いました。これでクルマの操縦性が悪化してフロントタイヤを傷め、序盤はペースを上げられませんでした。とにかくタイヤ交換可能な周回まで粘り強く走り、ピットストップではタイヤだけでなくフロントウイングも交換しました。このときの作業のタイムロスもあって、レースの大部分は単独走行でした。クルマそのものは決勝仕様ということもあるのでしょうが、昨日に比べてタイヤに優しくなりました。でも、風よけのウインドウスクリーンがレース中に飛び、気流が直接当たってヘルメットが浮きっぱなしになり、いまは首と背中が痛くて……。また、シートもなぜか縮んで動いてしまって腰も痛くて……」曇り空のもとで6日午前9時20分過ぎに始まった決勝レース2(21周・最大45分間)、決勝レース1の結果に基づき23番グリッドからスタートした佐藤公哉は、改善の兆しが見られないクルマに苦しみながらも20位でチェッカードフラッグを受けた。「土曜日のレースで痛めた首や背中や腰は日曜日になっても痛みが引きませんでしたが、決勝レース2の出場を回避するほどではありませんでした。昨日のデータに基づき、今日は多少なりともクルマの状態が改善していることを期待していました。しかし、トラクション不足は相変わらずで、今日のレースでは左コーナーは普通に曲がれますが、右コーナーが曲がれないという新たな症状まで出ました。そのため左前輪を早々に傷めて、ペースを上げることができませんでした。いくら頑張ってもラップタイムは上位の1.5秒から2秒落ちと全体的なスピードが低いので、身体はまったく疲れませんし汗もほとんどかきませんでした。不完全燃焼で悔しい週末でした」