小林可夢偉が、4戦連続のリタイアとなってしまったF1中国GPを振り返った。ザウバーは、第2戦オーストラリアGPからFダクトをテストしているが、それでもマクラーレンとはストレートスピードで大きな差があると可夢偉は語る。「今チームが持っている引き出しの中では、やはりバックストレートをどう攻略するかがカギになります。リヤウイングシステムを使っても、マクラーレンとは時速10キロ以上の差がありますから」
「フリー走行から予選まではドライコンディションでしたが、オプションのソフトタイヤは結構早くグリップしていました。予選第1セッションはタイム差がすごく小さくて、これは大変と思いました。正直、100分の1秒とか1000分の1秒という違いはすごく感じにくい。それよりも「決まった!」というのは分かるんですけれどね」小林可夢偉は、今のザウバーに足りないには空力ダウンフォースだと考えている。「第2セッションでもクルマの最大のパフォーマンスは引き出せたと思います。ただ、他のチームに比べるとまだグリップが足りていないと思います」「一番大きな要素がダウンフォースですが、かといって直線が速いわけでもないので、効率よくダウンフォースを上げないといけない。バランスはそれなりに持っていきましたが、結果的にクルマ自体のパフォーマンスが全体的に足りなくてああいう結果なので、エアロを重点的にやらないといけないと思います」「まずコンマ5秒上げればQ3に入れるので、あきらめずにQ3に入れるようにしていきたい。なんだか定位置になりつつある15番手あたりからは早く抜け出したいですね。再び0周リタイアに終わった決勝レースを可夢偉は次のように振り返る。「決勝レース前は、もし雨が降ったらこれ以上ポジションを落とすことは無いので、自信を持って、どれだけ上がれるか、そして生き残るかということを考えていました」「スタート自体は普通でした。1コーナーから2コーナーまでは全部アウト側のライン。3コーナーはイン側で、トロロッソのブエミやアルグエルスアリとバトルしながらターン6のブレーキングに入っていたら、突然ドンと衝撃を受けてあっという間に終わってました。最初はなんだ?と思ったんですけど。斜め後ろからイタリアからの未確認飛行物体が飛んできたようです(苦笑)。僕にとって4戦連続リタイアしたのは初めての経験でした」「クルマから降りた後、オーストラリアで巻き添えになった人たちはこんな気持ちだったのかなぁと思いながらパドックに戻るバイクを待っていました。そうしたら今度はペドロが煙を出しながら止まったので、結局ふたりで同じバイクに乗せてもらってパドックに帰りました。レースですから仕方ないですが、今回はレースがしたかった」小林可夢偉は、新しくザウバーのテクニカル・ディレクターに就任したジェームス・キーがチームの方向性に変化を与えてくれると考えている。「スペインで周りのチームがどれだけアップデートを入れてくるか分かりませんが、僕たちとしては新しいテクニカルディレクターにジェームス・キーが就任したので、これからクルマの開発をどう方向転換するのかが一番大きなアップデートだと思います」「彼はライバルであるフォースインディアの状況もよくしっているし、彼なりのアイデアだとか、試せるようになると思います。すでに今週末の時点でも方向性は分かって来ましたが、スイスに戻ってミーティングをします。次のバルセロナにどれだけ間に合うか分かりませんが、何戦かしたらその方向性の答えが出てきます」