小林可夢偉が、リタイアに終わったF1ヨーロッパGPのレース週末を振り返った。「バレンシアはとにかく暑い気温でタイヤに厳しくなると予想していました。カナダでタイヤに少しは優しくなっているという感触はありましたが、高い温度の下やはり実際に走ってみないと分からないですからね」と小林可夢偉は振り返る。
「タイヤをうまくコントロールしてレースに挑めれば、いい結果にはいけるはずで、それに今回は予選で、もうちょっと前からスタートできるように頑張るというのもも目標でした」金曜フリー走行では油圧系のトラブルでロングランを走れなかった小林可夢偉だが、クルマのバランスには手応えを感じていた。「金曜日は気温が低めだったし、僕自身午後のセッションではクルマにちょっと油圧系のトラブルがあって、オプションのソフトタイヤでのロングランを走れていませんでした。ただ、ソフトタイヤを最初に履いたときからクルマのバランスはよかったので、予選ではまわりに負けないように僕たちもタイムを上げることができるかがカギになると思っていました。いまの予選はタイム差が少ないのでとにかく完璧なラップを刻むことが大事です」予選では、Q1をミディアムタイヤのみで通過。今季3度目となるQ3進出を果たした小林可夢偉は7番グリッドを獲得する。「その予選ですが、Q1は1回目のプライムのミディアムタイヤでのアタックをうまく決めれば、Q2に向けてソフトタイヤを温存できるだろうと思っていたので、ミディアムで1発通過できたのは狙い通りでしたね。Q2からソフトタイヤを履きましたが、1回目と2回目の間にタイヤの内圧を調整してみたところ2回目はあまり感触がよくなかった。結局1回目のタイムでトップ10に入りましたが、まあベッテルは別次元だったとしても、マクラーレンとコンマ3秒差というのはまずまずですね。Q3は最後の新品のソフトタイヤを温存することも考えましたが、タイム的には前の方からスタートできる可能性があったのでアタックに出ました。その結果7番手を手に入れられたので、アタックした価値はありました」決勝では、一時4番手まで順位を上げる走りをみせた小林可夢偉。だが、1回目のピットストップで左フロントタイヤの交換に手こずり、そこから負の連鎖が始まる...「決勝レースは、スタートするタイヤが決まっているので、オーソドックスな戦略になるのは分かっていたから、スタートからかなり頑張って1周目に4番手まで上げました。この時点では、今回こそはいけるだろうと期待していましたが、1回目のピットストップで左フロントタイヤの交換作業に時間がかかって流れが変わってしまった。あの時ライコネンだけでなく、コースに戻ったらアロンソまで来ていて、『なんでっ??』て感じでした。そのあとセナとの接触、そして最後はマッサとも当たって、本当に残念なレースでした」「ただ、これまであまりよくなかったバレンシアでもポテンシャルを見せたことは、すごく大きい。なにより次のシルバーストンは、中高速のコーナーがあって、去年までも戦えていたサーキットなので、楽しみにしています。今年のクルマは低速コーナーも速くなったので、レイアウトが変わってできた新しいセクションも問題ないはず。グリッド降格のペナルティを受けますが、それでも僕たちは特別な結果を出せるポテンシャルがあると信じています」