小林可夢偉が、10位でフィニッシュしたF1中国GPの週末を振り返った。「クルマは金曜日からちょこちょこ小さなトラブルが出ていたんですが、状態としては悪くなかった。だから週末を通してセッティングを大きく変えてませんでした」と小林可夢偉はコメント。Q3進出に手応えを感じていた小林可夢偉は、Q1を1アタックだけでいくことに決める。
「予選はQ3に進めそうな手応えはあったので、Q1はミディアムの1アタックだけでいきたいとチームにお願いしました。そうすれば新品のソフトをQ2とQ3にちゃんと残せますからね」期待通りQ3に進出した小林可夢偉は、予選自己最高位となる4番手でセッションを終える。「Q3はみんなタイムが伸びないなか、コンマ1秒ほど上げることができた。でもそのラップは、僕もみんなと同じようにセクター1は自己ベストじゃなかった。ターン2から3にかけて全然曲がってくれなかったんですが、風と路面温度が影響したんじゃないかなと思います。ターン4でダッシュボードにプラス表示だったので、『これはアカン、なんとかせな』ってそこからかなり頑張ったら最後にポンとタイムがあがった。でも、いっても7,8番手ぐらいかなと思っていたんですよ。そうしたらエンジニアが無線で『P4(4番手)』って言ってきて、思わず『Really?(本当?)』って聞き返しちゃいました」さらにルイス・ハミルトンがギアボックス交換で5グリッド降格したことで、小林可夢偉は3番グリッドからスタートすることになった。「ただ、決勝レースの10位は、とにかく悔しいとしか言いようがないです」不運なことに、小林可夢偉のグリッド位置にはサポートレースで漏れたオイルが残っていた。「サポートレースで漏れたオイルがちょうど僕のグリッドに残っていて、右側のタイヤが乗る位置にあって、スタート前にチームがFIAに掃除していいか聞いたんですけど、ダメだったみたいですね。トランスポンダーの関係もあって、横にずらして止めることもできなかった。レース後にデータを見てあらためて検証したんですが、僕のスタートシグナルに対するリアクションはよかったし、手順も問題なかった。ただそのオイルの影響でグリップがなくて、まったく前に進みませんでした。ほんとについてなかったです」「戦略は最初から3ストップの予定でしたが、タイヤを履き変える度にトラフィックにはまって本来のペースで走れませんでした。自分のペースで走れたのは最後にミディアムに履き変えた直後の数周だけで、結果的にファステストラップになってますが、別に飛ばしたわけでもなんでもないので、もしソフトタイヤが残っていたらもっと速く走れたとは思うんですけど。ともかくこのペースを活かすことができなかった。ファステストラップはザウバーとしては、BMWのワークス時代を除いてプライベーターとしては初めてのことだったみたいですね」「今回はみんなが電車みたいにつながって走っていたんで、みんなDRSを使うから全然効果が少ないし、でも前にマクラーレンが見えるし不思議でした。予選でも決勝でも速さは出てきたんで、あとはそれをどううまくあわせるかですね」「予選からすごくタイム差が少なくて接戦でしたけど、僕たちはあと少し速くなれば予選でもさらにタイヤを残せるようになるし、レースでも戦略に余裕ができる。いいところにまで来ているから、ここからもう1ステップなんとか速くしたい」