2021年のF1日本GPの開催中止が決定。オリンピックは隔離を免除するなど特例入国が認められたことから、ファンからは「五輪はOKで四輪はNG?」の声が挙がっている。日本でのオリンピック・パラリンピックに続き、10月10日に鈴鹿サーキットでF1日本GPが開催する予定だったが、過去数ヶ月で新型コロナウイルスの感染が増加。緊急事態宣言の対象地域は拡大し、期間も9月12日まで延長され、鈴鹿サーキットのある三重県もまん延防止等重点措置の対象地域に入る予定となっている。
今シーズン限りでホンダがF1から撤退することもあり、7年ぶりの日本人ドライバーである角田裕毅選手の凱旋や、ホンダF1最後の雄姿を見せるためにも、ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は「たとえ無観客でもテレビを通じてホンダ最後の年のF1日本GPをファンに届けしたい」と実現にむけて準備に取り組んできた。しかし、最終的には中止が決定した。鈴鹿サーキットは「昨年末より、海外関係者入国受入に伴う、防疫対策・輸送計画・査証申請などの準備を進めてまいりました。この準備は、大きなチャレンジであり、特別な今年のF1日本グランプリを開催するために、膨大な時間をかけて取り組んでまいりました」としながらも、「F1日本GPを開催するために設定された期日までに、F1海外関係者の日本入国が確実な状況に至らなかったために、やむなく開催中止の決断をいたしました」と述べている。F1は声明で「日本のプロモーターや当局との継続的な話し合いの結果、日本政府は、国内でのパンデミックの継続的な複雑さのために、今シーズンのレースをキャンセルする決定を下した」と述べている。最もネックとなったのは、海外から日本への渡航者に対する14日間の隔離期間だ。F1日本GPは、前戦F1トルコGPから1週間のインターバルしかなく、“特例”が認めなければ実現は不可能だった。F1イギリスGPでは満員の観客が入ったが、基本的にF1は各国の新型コロナウイルス対策に合わせてチャーター機による移動を含めた“バブル”環境で動いており、サーキット敷地内にホテルを併設する鈴鹿サーキットでは、無観客でバブルのなかで開催することは不可能ではなかっただろう。オリンピックでは、14日間の隔離を免除するなどの特例入国が認められ、物議を醸していた。そのため、厳格なバブル環境で動くことが可能なF1に“特例”が認められかったことにファンからは「五輪はOKで四輪はNG?」の声が挙がった。ちなみに二輪の最高峰レースであるMotoGP、そして、今週末ル・マン24時間レースが開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)は日本での早々に中止を決断している。