モンツァで行われたF1イタリアGPフリー走行3回目は、ランド・ノリス(マクラーレン)がトップタイムを記録し、予選に向けて速さを示した。僅差の2位にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続き、上位勢は0.2秒以内にひしめく接戦となった。セッション中は各車がソフトタイヤを投入して一発の速さを試し、グラベルに飛び出す場面やスリップストリーム練習で接触寸前になる場面も発生。最終的に20台すべてが1秒以内に収まり、スリップストリームを駆使した一発勝負の予選に向け、期待と緊...
■ セッション開始:角田が先陣、静かな立ち上がり開始直後はハースのヒュルケンベルグが中コンパウンドでコースイン。角田裕毅も早々にハードで1分21秒876を刻み、暫定トップに立った。アルピーヌのガスリーやコラピントも周回を開始するが、路面はまだ進化途上。上位陣はガレージで待機し、序盤は慎重な展開となった。■ 中盤:フェルスタッペン先行、ソフト投入が始まる12時52分、マックス・フェルスタッペンがいきなりソフトでアタックし、トップに浮上。だがルクレール(ミディアム)がわずか0.014秒差まで迫り、フェラーリの強さも際立った。アルボン、ハジャー、アントネッリらもソフトでタイムを更新。特にハジャーは前週の表彰台を経て自信をのぞかせ、タイムシート上位に食い込んだ。■ 赤旗回避の緊張感:グラベルとラップへの影響路面コンディションは依然トリッキー。コラピントやベアマンがグラベルに飛び出し、走行を乱す場面もあった。前日にはハジャーのオフで赤旗が出たこともあり、チームは警戒心を強めていた。実際に小石の持ち込みがラップタイムに影響を及ぼすシーンも見られ、予選を前にリスク管理が大きな課題となった。■ セッション後半:ノリスが基準値を更新、ピアストリも追随13時14分、ランド・ノリスがソフトで1分19秒331を記録しトップへ。ピアストリもすぐに応答し、マクラーレン勢がフロントを占拠した。ノリスのタイムは昨年のポール(1分19秒327)に迫る内容。ピアストリはFP1欠場の遅れを取り戻しつつあり、仕上がりの速さを見せた。■ 終盤の攻防:フェラーリの猛プッシュとチームラジオ残り10分、フェルスタッペンがマクラーレンの間に割って入り2番手。ザウバーのガブリエル・ボルトレトも再アタックで一時3番手まで浮上した。ラッセルは4位に入り、上位は0.2秒以内の混戦。13時04分にはハミルトンとルクレールが“スリップストリーム練習”で接触寸前のシーンも。この時間帯にはフェルスタッペン、さらにボルトレトのチームラジオが流れ、走行状況やマシンの感触が共有されていた。ルクレールはソフトで大きなスナップを喫するも、最後のアタックでノリスに0.021秒差まで迫り、観客席のティフォシを沸かせた。■ セッション終了:1秒内に全車、角田は15位チェッカーフラッグと同時に各車がアタックを完了。トップはノリス、0.021秒差でルクレール、以下ピアストリ、フェルスタッペン、ラッセル、ボルトレト、ハミルトン、ハジャー、アントネッリ、アルボンと続いた。角田裕毅は1分20秒059で15位にとどまったが、トップとの差は0.7秒。最下位オコンまで含め全20台が1秒以内に収まり、モンツァならではの接戦ムードが高まった。予選は「スリップストリーム合戦」となることが濃厚だ。
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