2018年のインディカー・シリーズの開幕戦セントピーターズバーグの決勝では366回のオーバーテイクが記録された。インディカーは、2018年からオーバーテイクの促進を狙って、新たにダウンフォースを削減した“ユニバーサルエアロキット”を導入。日曜日のレースは新しいパッケージでの最初のレースとなった。
「新車はフィールド全体で素晴らしいレースを生み出した。我々はコース上で366回の追い抜きを記録しして、2008年に記録された323回の記録を塗り替えた」とインディカーは声明で述べた。2008年のレースは雨の影響を受けたが、今年はドライコンディションで行われている。昨年のF1は、ピレリの公表したデータによると合計435回のオーバーテイクを記録。1レースでの平均は21.75回となっている。しかし、インディカーとF1世界選手権では、オーバーテイク数のカウントの仕方が異なる。インディカーでは“クルマが周回遅れのとき、周回遅れを取り戻したとき、オープニングラップでのポジションアップ”を含めた“レーシングサーキットで行われたオーバーテイク”を追い抜きとしてカウントする。数字はレースがグリーンフラッグの場合の全ラップでのすべての追い抜きをカウントしたものであり、ピットインや接触によるリタイア、故障による順位の変動は含まない。F1の公式タイヤサプライヤーであるピレリは、“フライングラップ中に起こったもの(オープニングラップは含まず)かつラップのフィニシュラインまで順位を維持したもの”をオーバーテイクとしてカウント。周回遅れや周回を取り戻した際、技術的なトラブルによる順位変動は含まない。また、インディカーの開幕戦では24台がグリッドに並んでおり、去年のF1よりも4台多い。F1のオーバーテイク数は前年比で47%減少しており、ハイドウンフォースのマシンに導いた新しいレギュレーションは批判の的となっている。インディカーの2018年開幕戦ではオーバーテイクの増加とともに、新しいユニバーサルパッケージの特性の違いもあり、ブレーキングでミスをするシーンも多く見られた。冷静なドライビングが有名なスコット・ディクソンもブレーキングでミスをして佐藤琢磨に追突している。レースはルーキーのロバート・ウィケンズが110周のうち69周をリードしたが、残り2周のクラッシュによりリタイアを強いられ、セバスチャン・ブルデーが優勝を果たしている。