ウィスコンシン州エルクハートレイクで開催された2022年インディカーシリーズ第8戦では、先月のインディアナポリス500マイルで優勝したマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が2位フィニッシュを飾りポイントリーダーの座に返り咲いた。ウィスコンシン州の大都市ミルウォーキーの北60マイルほどの場所にあるロードアメリカは、1950年代からメジャーモータースポーツイベントを開催しているサーキットで、全長が4.014マイルとアメリカのサーキットとしては長く、アップダウンにも富み、超高速のコーナーも備えたチャレンジングなレ...
そのコースを55周するレースは、今年は快晴と低温という珍しい組み合わせの天候下で争われた。レース中の最高気温は摂氏20度までしか上がらなかった。220マイルのレースは序盤にアクシデントが重なり、中盤はハイスピードで展開していった。そのままゴールまで高速バトルが続くかと思われたが、終盤になってフルコースコーションが続けて出され、最後のリスタートはゴールまで残り3周で切られた。予選4番手からトップグループにポジションを保ち続けたエリクソンに終盤土壇場になってようやくチャンスが巡ってきた。2番手を走っていたアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)がトップを奪いにいき、そのパスが成功しないと見て勢いを落としたところを見逃さずにアタックし、エリクソンは2番手に順位を上げた。さらにもう1つポジションを上げるには残り周回が不十分だったが、エリクソンはジョセフ・ニューガーデンに続いて2位でゴールし、シリーズのポイントリーダーに復帰した。第7戦終了時点でポイントリーダーとなっていたウィル・パワーは今日の第8戦での結果が19位で、2位フィニッシュしたエリクソンは彼に27点の差を持つポイントリーダーとなっている。予選でポールポジションを獲得したアレクサンダー・ロッシは、2019年以来となるロードアメリカでの2勝目を目指したが、ゴール前に1つ順位を下げて3位でフィニッシュした。彼は先週のデトロイトから2週連続で表彰台に上り、インディ500からの3レース連続のトップ5フィニッシュを記録しています。ロッシのチームメートであるロマン・グロージャン(Andretti Autosport)とコルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)が彼に続く4、5位でゴールし、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は予選22番手から8位まで順位を上げてフィニッシュしました。そして、レイホールのチームメートのクリスチャン・ルンドガールド(Rahal Letterman Lanigan Racing)がルーキー最上位の10位でゴールしました。佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選19番手から4つ順位を上げた15位でレースを終えました。ハードタイヤでのスタートながら序盤のバトルで12番手まで大きくポジションを上げた佐藤は、さらに上位へ進出していく勢いを持っていました。しかし、17ラップを終えたところで入った1回目のピットストップで、その前までにパスした複数の相手に逆転を許し、中盤以降は厳しい戦いを余儀なくされました。それでもハードとソフトの両タイヤでバトルの末にオーバーテイクを重ねていた佐藤の戦いぶりは、次戦以降のロードコースでの走りが楽しみとなるものでした。2022年インディカーシリーズ第9戦はHondaインディ200アット・ミッドオハイオ。オハイオ州コロンバス郊外のミッドオハイオスポーツカーコースで7月3日に決勝レースが開催される。マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)「とても良いレースを戦うことができました。週末を通して強さを見せ続けることができたと思います。Honda、HPD、そして、Chip Ganassi Racingのクルーたちが最高の仕事をしてくれました。今日のマシンは本当に良い仕上がりになっていました。チャンピオンシップのためにも2位というのはすばらしい結果です。レース序盤にチームメートのアレクサンダー・ロッシと接触してしまった件に関しては申し訳なかったですね。あの時の私たちはサイドバイサイドで、私としては良いアタックを仕掛けることができたと考えていました。しかし、チームメートとの接触は絶対に起こしたくないものです。あれでアレックスのマシンにダメージを与えてしまったことは、たいへん申し訳ないです」佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)「エキサイティングなレースでした。スタートで2台をパスし、その後にも数台を抜いて順位を上げていきました。しかし、最初のピットストップで2つ順位を落としたことが、その後の展開に大きく響きました。フルコースコーションが出ても、レース序盤に手を届かせていたところまで順位を戻すことはできず、ピットストップを終えるとまた同じポジションに下がってしまうことの繰り返しになっていました。厳しいレースでしたが、リスタートで強さを見せ、サイドバイサイドのバトルを戦って何台かをパスすることもできました。その点では楽しいレースでした。15位というのは自分たちの望んでいた結果ではありませんが、チームとしてのいくつかの面で強さを見せることができたと思います」
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