オハイオ州コロンバス郊外のミッドオハイオ・スポーツカーコースで行われるインディカー・シリーズ恒例のレース、Hondaインディ200。今シーズンはダブルヘッダーとされ、土曜、日曜に1レースずつが全長2.258マイルのコースを使って行われた。75周で争われるレースの2戦目では、Andretti Harding Steinbrenner Autosportのコルトン・ハータ、Andretti Autosportのアレクサンダー・ロッシ、ライアン・ハンター-レイを先頭にHondaドライバーたちが見事なパフォーマンスを披露し、ライバル勢を圧倒した。
Andrettiのドライバーたちは1-2-3フィニッシュで表彰台を独占し、その他のHondaドライバーが4位と5位でもフィニッシュし、トップ5ポジションを占めた。これで今シーズンは11戦が終了したが、ここまでHondaは7勝を挙げて910ポイントを獲得し、824点を獲得しているライバルのシボレーをリード。2020年に3年連続でのマニュファクチャラーズ・タイトル獲得を目指しているHondaは、ポイント争いでのリードを続けている。先月の第104回インディアナポリス500マイルで佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)が優勝し、Hondaドライバーによる1-2-3-4フィニッシュが達成されたが、ミッドオハイオでのHondaは今シーズン2度目となる表彰台独占を成し遂げた。ハータは今日が2020年シーズンの初優勝だったが、キャリア2年目にして早くも4勝目。75周のうち57周をリードしての堂々たる優勝は、序盤にチャンピオンシップでポイントリーダーのHondaドライバー、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)による挑戦を跳ね除け、中盤からはチームメートのロッシとハンター-レイを相手にリードを続けて記録された。ロッシたちとの差はずっと小さいままだったが、それを確実に保ち続けてゴールへと飛び込んだ。Andretti Autosportにとっては、1-2-3フィニッシュは2005年のHondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ以来となる快挙。グラハム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、12番グリッドから4位でゴールし、マーカス・エリクソンはオープニングラップで一気に10個ものポジションをアップし、トップ5入りを果たした。レイホールは地元オハイオでのレースで2戦とも4位フィニッシュという好成績を残し、サーキットに集まったファンを沸かせていた。ポイントリーダーのディクソンは、1回目のピットストップの後にハータ、ロッシ、ハンター-レイとバトルをしていたが、ターン1出口でスピンを喫して20番手まで後退。そこから驚異的なばん回劇を展開し、10位でのフィニッシュに漕ぎ着けた。彼のポイントリードは、14戦のうちの11戦が終了した時点で72点となっている。佐藤琢磨は、予選でマシンセッティングにトラブルがあったために、ほぼ最後尾の22番グリッドからスタートした。2度目のイエローフラッグが出された16周目にほぼすべてのドライバーたちがピットストップに向かった際、佐藤はコース上に残ってトップに躍り出、レースが再開されるとリードを広げた。しかし、その後はゴールまでフルコースコーションが出されず、ピットタイミングをライバルたちとずらす作戦によって大幅なポジションアップを成功させることはできず、18位でのゴールとなった。この後のインディカー・シリーズは2週末レースが行われず、10月2~3日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースにおけるインディハーベストグランプリでシーズンが再開される。シーズン最終戦を前にした、今シーズン最後のダブルヘッダーとなる。コルトン・ハータ(優勝)「優勝できてたいへんうれしいです。ずっとスピードは出ていて、勝利の扉をほぼ毎週末ノックしてきました。しかし、なんらかの理由でなにかがうまく行かないということばかりでした。それが今日、すべてがうまく行きました。朝の予選でポールポジションを獲得し、チームのクルー全員がレースに向けてすばらしいマシンを準備してくれました。その結果、Hondaエンジンを使うAndrettiによる1-2-3フィニッシュが達成されました。Hondaパワーで戦えることを本当に喜びと感じています。今後のレースすべてで表彰台フィニッシュする必要があります。私が表彰台に上る時は、いつも優勝したときのようなので、今シーズンの残りのレースでは2位、3位のフィニッシュとなっても、それはとても幸せだと感じられると思います」佐藤琢磨(18位)「みんながフルコースコーションでピットしましたから、私たちとしてはコース上にとどまる作戦を採用し、なにかトライができる状況になりました。トップに立ってレースをしばらくの間リードし、5秒ほどの差を2番手以下につけることもできました。それは作戦上でも必要なリードでした。しかし、残念ながらレースの中盤からはトラフィックに引っかかってばかりでした。自分たちの前にピットアウトしてくるマシンが多く、そのたびに数秒のタイムロスを強いられました。結局、ゴールのときには元のポジションに自分も戻っていました。悔しい結果となりましたが、私たちは今回のような作戦にトライする必要があったと思います。厳しい週末となりました」
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