現役インディカードライバーのライアン・ハンターレイは、現在の現在のインディカーが“過去最大の競争力”を持っており、再びF1へと繋がる道として考慮されるにふさわしいと考えている。チャンプカー・ワールド・シリーズとインディ・レーシング・リーグが2008年に統合されて以降、インディカー出身者でF1レースをスタートしたドライバーはいない。
かつて、同シリーズは世界的な人気を誇っており、ナイジェル・マンセのようなビッグネームを引き寄せる存在だった。また、ジャック・ヴィルヌーヴやファン・パブロ・モントーヤといったドライバーがF1で成功するための基礎を築いた場所でもある。インディ500のウィナーであり、2012年のシリーズチャンピオンでもあるライアン・ハンターレイは、アメリカのオープンホイールレースが以前の“衰退”から復興を果たし、参戦するドライバーはF1で通用するレベルになったと主張する。「キャリアのごく初期に訪れる分岐点での選択次第だと思う」とライアン・ハンターレイは Sky Sports F1に語った。「F1に行きたければ、F1の道を進まなければならない。それはヨーロッパにある。インディカードライバーになりたければ、アメリカの道を選ぶ。そう決まってしまっている」「昔はインディカーでの成功がF1に繋がっていた時代もあった。でも、その後、インディカーがほんの数年衰退したことで、なんとなく遠ざかってしまった」「今のインディカーチャンピオンシップはかつてないほど強い。過去最高、最もコンペティティブかもしれない。僕が今そこにいるから言っているわけではない。そのことは毎週のようにトラック上で僕たちが証明している」アメリカでのF1の未来は不確かな状況となっている。サーキット・オブ・ジ・アメリカズへの資金援助はカットされ、アメリカGPは中止の危機にある。アメリカF1チームのハースが、ロマン・グロージャン、エステバン・グティエレスというラインアップで今年からF1グリッドに加わるが、8年ぶりのアメリカ人F1ドライバーを誕生させたマノーは、アレキサンダー・ロッシを今季も起用するのかどうか明らかにしていない。ライアン・ハンターレイは、アメリカ国内で今以上にF1への関心を高めるのには、ハースF1チームの誕生だけでは不十分だと考えている。「アメリカのスポーツ市場は完全に飽和状態だし、そこを打ち破るは非常に難しい。フットボール、バスケットボール、ベースボール・・・あまりにも多くの選択肢の中からファンの注意を引かなければならない」「F1レース自体にはそれができると思う。でも、イギリスを拠点として“USF1”を名乗るチームよりも、もっと大きな存在が必要だ。拠点については仕方ないだろうけどね」「何がソリューションかはわからないけど、僕はどんなモータースポーツでもアメリカで成功してほしいと思ってしまうんだ」